2011年3月25日金曜日

ニューヨークタイムズ「塩害」報道の日本語訳

本日の朝日新聞の夕刊に北沢防衛相の記者会見の内容が報道されています。
海水を注入していると塩害が起きるので米軍から真水の提供を受けることにした

という内容です。
この「塩害」というものがどういうものか、23日のニューヨークタイムズが詳しく
報道しています。以下その部分の訳です。
「GEが福島第一原発を作った時に沸騰型原子炉の安全研究責任者だったリチャード・レーヒー・ジュニアは注入された海水は沸騰して大量の塩が炉内に残っていると語った。
1号機に57000ポンド、2,3号機には各99000ポンド堆積していると推定している。(1ポンドは約450グラム)
問題なのはその塩がどれだけ水の中に混ざっているのか、どれだけ燃料棒に付着しているかである。燃料棒に塩が付着すると水の冷却機能が妨げられ燃料棒が加熱する。さらに沢山付着すると水が燃料棒の周りを循環できなくなる。燃料棒の温度が上昇するにつれジルコニウムの被膜が破れ
放射性のヨウ素が気化し、さらにウラニウムが溶解してさらに大量の放射性物質を放出する。
しかし、一部の塩は燃料棒に付着せずに圧力容器の底に溜まるかも知れない。
(中略)
沸騰型原子炉の専門家の非公式の国際グループはこの塩の堆積を憂慮しており、メルトダウンを防ぐ努力として原子炉容器を格納する建物(reactor vessel's containment building)を冷たい
(真)水で満たすことを日本に提言したいと考えている、レーヒーさんは語っている。」

( )内は訳者
英語原文 http://www.nytimes.com/2011/03/24/world/asia/24nuclear.html?scp=1&sq=new%20problems%20at%20Japanese%20plant&st=cse