2016年3月14日月曜日

朝日新聞「放射線の影響 見極める」の犯罪 福島の小児甲状腺がん「地域差見られず」2016年3月9日18面

朝日新聞は、2016年3月9日18面に「放射線の影響 見極める」の特集を組みました。そこで、福島の小児甲状腺がん「地域差見られず」と書きました。 ちょうど、2日前の2016年3月7日の毎日新聞10面「子のがん『多発』見解」が、津田敏秀氏(岡山大学教授)の見解を紹介し、「原発に近いほど発症率が高く、遠くでは低い」に反論するかのような記事でした。 まずは朝日から。 そして、以下がこの朝日の記事の2日前に書かれた毎日新聞の記事。 朝日新聞、大岩ゆり氏の手法は数字を小さくして違いをごまかすこと。疾病の罹患率など10万人あたりの発症率で表すのが通常なのに、わざと%で表記。それで地域差がないと強弁。実はもう一つ犯罪的な問題の隠蔽工作があります。 浜通り(原発立地自治体の大熊町や双葉町など)よりも、いわき市の発症率が一番高く、続いて中通り(郡山市や福島市、二本松市、伊達市など)が二番、三番が浜通りであることを意図的に隠しています。いわき市と中通りをごっちゃにして数値を出す、という手法。いわき市には2011年3月15日未明に東電 福島第一原発2号機から放出されたヨウ素131などの放射性物質が、沿岸部を南下し、いわき市から茨城県北部に乾性沈着しています。 ヨウ素131沈着量 2011年3月12から3月29日 国立環境研究所 明らかに会津地方の発症率(10万人あたり32.6人)と、いわき市(10万人あたり43人)、中通りの発症率(10万人あたり37.2人)は違います。全市町村避難した(国と東電によって避難を強制された)、浜通りの発症率(10万人あたり33.5人)はその中間です。 また、いわき市や中通りの郡山市、福島市、伊達市などは原発20km圏内ではないため、20km圏内の住民が3月15日にはおおよそ避難しているのに対して、原発事故後5年も住み続けています。福島県と日本政府の「これくらいの放射能は安全」神話とともに。 朝日 毎日                                                                    

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朝日新聞「放射線の影響 見極める」の犯罪(2) 福島の小児甲状腺がん「地域差見られず」2016年3月9日18面

朝日新聞は、2016年3月9日18面に「放射線の影響 見極める」の特集を組みました。そこで、福島の小児甲状腺がん「地域差見られず」と書きました。そして、10万人あたり30人を超える小児甲状腺がんの発症率を、「チェルノブイリでは、本来、甲状腺がんがほとんでできないはずの5歳以下の乳幼児に多発した。」「一方、福島県でこれまでにがんと診断された計116人に事故当時5歳以下の乳幼児はいない。」と、原発事故の影響ではない、という福島県 県民健康調査検討委員会の見解を垂れ流ししています。 果たしてそうでしょうか。山下俊一氏が、2000年に「チェルノブイリ原発事故後の健康問題 被ばく体験を踏まえたわが国の役割 唯一の原子爆弾被災以下大学からの国際被ばく者医療協力 山下俊一 2000年2月29日」の論文の中で、ベラルーシ共和国ゴメリ州の小児甲状腺がんの原発事故当時の年齢別診断数を公表しています。 この小児甲状腺がんと診断された年次別の子どもたちの人数を原発事故4年後まで、5年後まで、6年後まで、10年後まで、この山下論文で公表されている13年後までの累計をグラフにしました。現時点で福島県の小児甲状腺がんの子どもたちの累計はちょうど、チェルノブイリ原発事故4年後までとそっくりではないでしょうか。5年後までの累計から原発事故当時0~4歳の子どもたちの小児甲状腺がんが多発しているのです。 福島でも、今年2016年から、原発事故当時0~4歳の子どもたちが小児甲状腺がんを発症し始める危険性があります。 福島県だけではなく、茨城県、宮城県、岩手県、山形県、栃木県、群馬県、千葉県、埼玉県、千葉県、神奈川県、静岡県など放射能のプルームが強く通った地域では、子どもも大人も甲状腺検査、血液検査、心電図検査が必要だと考えます。 朝日新聞の記事から <4年後まで>ベラルーシ共和国ゴメリ州における小児甲状腺がん 1985年から1989年チェルノブイリ原発事故4年後までの累計 山下俊一氏の研究に基づく <5年後まで>ベラルーシ共和国ゴメリ州における小児甲状腺がん 1985年から1990年チェルノブイリ原発事故5年後までの累計 山下俊一氏の研究に基づく <6年後まで>ベラルーシ共和国ゴメリ州における小児甲状腺がん 1985年から1991年チェルノブイリ原発事故6年後までの累計 山下俊一氏の研究に基づく <10年後まで>ベラルーシ共和国ゴメリ州における小児甲状腺がん 1985年から1995年チェルノブイリ原発事故10年後までの累計 山下俊一氏の研究に基づく <13年後まで>ベラルーシ共和国ゴメリ州における小児甲状腺がん 1985年から1998年チェルノブイリ原発事故13年後までの累計 500人 山下俊一氏の研究に基づく  ヨウ素131の沈着積算量シミュレーション(3月12日から3月23日)国立環境研究所                        

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朝日新聞「放射線の影響 見極める」の犯罪(2) 福島の小児甲状腺がん「地域差見られず」2016年3月9日18面

朝日新聞は、2016年3月9日18面に「放射線の影響 見極める」の特集を組みました。そこで、福島の小児甲状腺がん「地域差見られず」と書きました。そして、10万人あたり30人を超える小児甲状腺がんの発症率を、「チェルノブイリでは、本来、甲状腺がんがほとんでできないはずの5歳以下の乳幼児に多発した。」「一方、福島県でこれまでにがんと診断された計116人に事故当時5歳以下の乳幼児はいない。」と、原発事故の影響ではない、という福島県 県民健康調査検討委員会の見解を垂れ流ししています。 果たしてそうでしょうか。山下俊一氏が、2000年に「チェルノブイリ原発事故後の健康問題 被ばく体験を踏まえたわが国の役割 唯一の原子爆弾被災以下大学からの国際被ばく者医療協力 山下俊一 2000年2月29日」の論文の中で、ベラルーシ共和国ゴメリ州の小児甲状腺がんの原発事故当時の年齢別診断数を公表しています。 この小児甲状腺がんと診断された年次別の子どもたちの人数を原発事故4年後まで、5年後まで、6年後まで、10年後まで、この山下論文で公表されている13年後までの累計をグラフにしました。現時点で福島県の小児甲状腺がんの子どもたちの累計はちょうど、チェルノブイリ原発事故4年後までとそっくりではないでしょうか。5年後までの累計から原発事故当時0~4歳の子どもたちの小児甲状腺がんが多発しているのです。 福島でも、今年2016年から、原発事故当時0~4歳の子どもたちが小児甲状腺がんを発症し始める危険性があります。 福島県だけではなく、茨城県、宮城県、岩手県、山形県、栃木県、群馬県、千葉県、埼玉県、千葉県、神奈川県、静岡県など放射能のプルームが強く通った地域では、子どもも大人も甲状腺検査、血液検査、心電図検査が必要だと考えます。 朝日新聞の記事から <4年後まで>ベラルーシ共和国ゴメリ州における小児甲状腺がん 1985年から1989年チェルノブイリ原発事故4年後までの累計 山下俊一氏の研究に基づく <5年後まで>ベラルーシ共和国ゴメリ州における小児甲状腺がん 1985年から1990年チェルノブイリ原発事故5年後までの累計 山下俊一氏の研究に基づく <6年後まで>ベラルーシ共和国ゴメリ州における小児甲状腺がん 1985年から1991年チェルノブイリ原発事故6年後までの累計 山下俊一氏の研究に基づく <10年後まで>ベラルーシ共和国ゴメリ州における小児甲状腺がん 1985年から1995年チェルノブイリ原発事故10年後までの累計 山下俊一氏の研究に基づく <13年後まで>ベラルーシ共和国ゴメリ州における小児甲状腺がん 1985年から1998年チェルノブイリ原発事故13年後までの累計 500人 山下俊一氏の研究に基づく  ヨウ素131の沈着積算量シミュレーション(3月12日から3月23日)国立環境研究所                        

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2016年3月2日水曜日

東京電力福島第一原発事故から5年をテレビはどう伝えるのか?~③ETV特集編

今晩(2016年3月1日)配信した「メルマガ金原No.2382」を転載します。 東京電力福島第一原発事故から5年をテレビはどう伝えるのか?~③ETV特集編 「東京電力福島第一原発事故から5年をテレビはどう伝えるのか?」シリーズ第3弾はいよいよETV特集です。 ET...

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中学・高校・大学生のための放射能の授業 3/8(火)18:30 さいたま市松木東公園近く

[ 2016年3月8日; 6:30 PM to 8:30 PM. ] 中学・高校・大学生のための放射能の授業を開きます。1/4春日部に次いで第2回目。テーマは、放射能からどうやって自分と家族の身を守るか? 【講演内容】・放射能の被害(少しだけ、東電福島第一原発の現状) ・放射能の基礎知識 プルトニウム、ウラン、セシウム134、137、ヨウ素131、ストロンチウム90 ・放射能から身を守る方法 内部被ばくがもっとも危険 ・何を食べてはいけないか、どんなところで呼吸してはいけないか。危険な食べ物最新情報。 ・命のバトンを渡すために 【日時】2016年3月8日(火) 18:30~2時間程度 【場所】秘密 さいたま市松木東公園近く 【会費】お子さん・中学生・高校生・大学生は無料。お菓子付き。大人はカンパ500円。 【申し込み】メールに参加者の名前と肩書き(学生の方は何年生かまたは何歳か)とニックネーム(当日はニックネームで呼びます)を書いてお申し込み下さい。折り返し会場のご案内をします。 E-mail  entry.naibu@gmail.com まで 【主催】川根 眞也(さいたま市公立中学校・理科教員)

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リニアは悪夢の超特急

リニアモーターカー、想像を絶する害悪のようです。

http://ift.tt/1TPqIrb から転載

『悪夢の超特急リニア~』著者ご講演レジュメ

  • 2016/03/01
  • 09:24
樫田さんのお許しをいただきましたので、5日(今度の
土曜日)13:30~の「だいじょうぶ?
リニアモーターカー」のレジュメを掲載します。 写真は
割愛します。

 リニア中央新幹線は「夢の超特急」なのか
 樫田秀樹(ジャーナリスト) 
 2015年末、リニア中央新幹線計画での最初の起
工式が山梨県早川町で執り行われた。今年の夏こ
ろ、史上初めて南アルプスにトンネルが開けられる
かもしれない。
 JR東海は今後もいろいろな地域でのリニア着工
を予定している。
 もし、リニアが「今の時代に絶対に必要」で、
かつ、「地域住民の合意」を得たものであるなら、
この計画には一定の理がある。しかし、
その片方か両方の条件と満たしていない場合、
地域住民が計画に疑義を挟むのはある意味当然
だ。今、計画沿線で何が問題視され、住民は
どう動こうとしているのか。
●私たちが相手にするのは、そんじょそこらの会社
じゃない(★大阪府摂津市の事例から)
・摂津市の鳥飼地区には、JR東海の新幹線車両
基地がある。東海道新幹線開業の1964年から
基地内で地下水をくみ上げ、車両の洗浄などに
利用していた。
・一日に2000~2500トンの汲み上げで、最大約
50センチの地盤沈下が発生。77年、市は、旧国鉄
と「基地内で地下水を汲み上げない」との環境保
全協定を締結。
・だが2014年、JR東海は基地内で井戸掘削を開
始。車両基地は、その 面積の3%だけが、隣の
自治体、茨木市に属していた。JR東海は、「違う
自治体の土地での掘削は協定違反にはならない」
とそこで掘削を始めたのだ。
・市長の面談要望にも、JR東海は「面談というシ
ステムがありません」と話し合いを拒否。地下水
が地下でつながっている以上、再び地盤沈下は
起こる。協定は基地全般を対象としているので、
違う自治体で掘ろうとも協定違反に当たると、
協議が実現しない以上は、2014年11月、
摂津市はJR東海を訴えた。
 ・公判はこれまで8回開催。JR東海の主張は
「締結した環境保全協定は『紳士協定』だ。半ば
半ば強権的に締結させられた」というもの。紳士
協定には法的拘束力がない以上、どこで井戸を
掘ろうと違法性がないとの主張だ。
 ・ちなみに、福岡県福間市が産廃業者を「公害
防止協定違反だ」と訴えた裁判がある。約束の
期限を過ぎても産廃業者が埋立てを続行した
ために、市が提訴。結果として、最高裁が「公害
防止協定には法的拘束力がある」と認め、市は
勝訴。だからこそ、JR東海は摂津市との協定を
「紳士協定だ」と主張している?
 実際、JR東海はリニア計画において、どこの市
町村とも環境保全協定を締結しようとしない。
・摂津市での裁判の勝訴を予感させるのは、市だ
けではなく、市民もまた真正面から反対の意を示
し、人口8万5000人の街で3万5000筆以上の
署名を集めているからだ。
・因みに、本当に地盤沈下が起こるかもしれない
のに、JR東海が井戸掘削を強行するのは、車両
基地での年間の上水道費1億円強が地下水利用
なら半分で済むから。市は「リニアのための経費
削減」と見ている。

1.私が知ったこと。知らせたいこと。
1-1.リニアの実験線で起きていること
 リニアの本線は実質的には、7分の1が完成し
ている。
その山梨県の実験線では以下の問題が起きた。
A:水枯れ 1997年4月、
山梨県でリニア走行実験が始まると、周辺の
河川や沢が次々と枯れた。
〇1999年9月 大月市内朝日小沢地区の簡易
水道の水源が枯れた。
〇2009年 笛吹市御坂町。
 2008年に実験線の延伸工事が始まると、
 町の水源である一級河川「天川」(てがわ)が
枯れた。トンネル内で異常出水が起こり、JR
東海はそれを天川に戻している。

棚の入沢。2004年棚の入沢。2013年

〇2011年夏 上野原市無生野地区の簡易水
道の水源である「棚の入沢(たなのいりさわ)」が
枯れた。尺サイズのイワナやヤマメが泳いでいた
沢だった。
〇笛吹市役所には、リニアのトンネル工事以後、
「井戸が枯れた」との連絡が数十件あった。
〇補償は30年間のみ 建設主体の独立行政
法人「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」は
「水脈を予想できなかったための水枯れ」と回答。
もし、工事と水枯れとに因果関係が認められれば、
JR東海、支援機構は「井戸掘削」、「代替水の補
給」や「(水道補給にかかる電気代の)金銭補償」
などの補償をする。補償期間は国土交通省の通
知に従い30年間だけ。31年目からは自前で水
を補給するということだ。

かつて谷だった境川の埋立地。用途は未定

B.残土問題

JR東海は、住民説明会で、リニア工事の建設
残土を
①リニア建設で使う、 
②自治体の事業として処分する、
③処分場を造ると3つの方法を説明する。
山梨県へのリニア実験線誘致が決まったのは
89年。翌年、県土地開発公社は埋め立て地での
「境川分譲宅地造成事業」を発足。39億円を投じ
、98年までに144人の地権者から21.9haを
購入0。リニア残土で造成後、住宅365区画を
分譲する計画に、旧境川村(現・笛吹市)は
1000人の人口増を見込み
幼稚園新設や下水道整備を構想。だが、実験線
工事で排出された残土の160万立方㍍は笛吹市
境川町(旧境川村)の谷を埋めたが、計画は
頓挫。残土は豊かな自然を壊しただけだった。

C.日照権の阻害

11月9日撮影。あと10日で家は昼も暗くなる。

 立ち退きは免れても、高架沿いの家屋は、
11月中旬から1月中旬までは一条の光も入らない
生活を送っている。これら家屋への補償もやはり
30年間と決まっている。31年目からは自費で
電気代、燃料代などを負担するということだ。
 写真の家では、その激変に精神的についていけ
ない60代女性が3カ所の円形脱毛症を発症。
日陰となった池の錦鯉数十匹は全滅。道路には
雪が氷となって残るため、その除去に苦労している。
いいことは何もない。
 
1-2.これから起こる問題
▲13年9月、JR東海は、リニア沿線を環境アセ
スした結果を報告する「環境影響評価準備書」を
公表。
▲14年4月、準備書への各都県知事からの意見
を反映した「環境影響評価書」を公表。
▲14年8月、それに対して出された環境大臣意見
と国土交通大臣意見を反映した「補正・評価書」を
公表。
 だが、知事や大臣意見は反映されたとは言えず、
「これは受け入れがたい」と表明する自治体もある。
A:静岡県の水枯れと残土問題
(1)大井川の流量が毎秒最大2トンも減る
 静岡県では、リニアは県北部の無人の南アルプ
スを約11Km通過するだけ。だが、トンネル工事で
「大井川の流量が毎秒最大2トン減る」との準備書
の記載に県南部の7市2町が焦った。水源のほぼ
すべてを大井川に頼るが、その水利権量はまさしく
毎秒2トンだからだ。このままでは全域63万人分の
水がなくなる。
 JR東海は、リニア沿線に位置しないこれら自治体
は「関係市町村」ではないから、準備書の送付も
住民説明会も行っていない。1日最大1736台の工事
用車両が走る長野県中川村も同じ扱い。
(2)残土が南アルプスに捨てられる
 県のトンネル工事で出る残土は約360万㎥
(東京ドーム約3杯分)。JR東海はこれを大井川
源流部の河川部に6カ所置くと準備書で公表。
どうやら、そのなかでもっとも広い「燕(つばくろ)沢」に
集約される見込み。となると、高さ50メートル、
長さ1Kmの土山ができるのだが、そこは崩落地
として知られている場所でもある。
B:神奈川県相模原市緑区鳥屋(とや)の地域分断
 鳥屋には幅400m、長さ2Kmにもわたる車両基地
が建設される。鳥屋の自治会の一つ「谷戸」では
それにより「移転する人」と「しない人」とに分断される。
移転しない人も、車両基地の高さ30mという壁に
日照や景色を遮られ、近所付き合いを絶たれ暮らす
ことになる。同様の問題が、岐阜県中津川市など
各地で起きる。
C:神奈川県の水源はどうなる?
 = 「環境影響評価書」の不備
 私の住む神奈川県では、「リニア本線工事、リニア中
間駅、鳥屋での車両基地、非常口9か所、変電所、
保守用車留置施設」が建設される。相模原市以西の
水源、道志川や串川はどうなるのだろう?
JR東海の環境影響評価書には、上記大井川のような
流量の減少予測は書かれていない。書かれているのは、
〇地下水の水質 →「影響はない」
 ★「湧水を抑止するための補助工法として薬液注入
工法が想定され、地下水の水質への影響は小さいと
予測する」 ★「排水による公共用水域の水の汚れの
影響は小さいものと予測する」 ★「地下水が酸性化
することはほとんどないと予測する」 ★「地下水の
水質への影響はないと予測する」
〇地下水の水位 → 「一部、影響を及ぼす」
「山岳部において、トンネル区間全般としては小さい
ものの、破砕帯等の周辺の一部においては、地下水の
推移へ影響を及ぼす可能性があるものと予測する」と
一部影響を認めている。だが、どの水源か特定しない。
〇川(地表水) → 「環境影響の提言が図られている」
 「一部の地域において影響があると予測したものの、
環境保全措置を確実に実施することから、水資源に係る
環境影響の低減が図られていると評価する」
D:長野県大鹿村と中川村の生活破壊 
 一日1736台もの工事用車両が通る。
 大鹿村では、南アルプスからの建設残土が約300万
立方㍍排出。軽自動車同士もすれ違えない山道も含め、
残土や資材を運ぶ工事用車両が一日最大1736台
(1分に3台以上)走る。騒音・振動・排気ガス・泥はね・
土埃に、道も渡れない、洗濯物も干せない、通学への不安…
が10年間続く。道路脇にある保育園では園庭遊びが無理に
なる。同様の問題は長野県南木曽町《妻籠宿を擁する観光地》、
そして、沿線各地で起きる。だがJR東海は、「騒音は
環境基準70デシベルを下回る69デシベルだから影響は
少ない」と回答する。車両は隣の中川村も通るが、静岡県の
7市2町と同様 に、「関係市町村ではない」から、準備書説明
会もなかった。
 冒頭の山梨県早川町でも、一日に930台。だが、それだけ
の数の大型車両が走るのに、道路の拡幅が未着手。このまま
では生活破壊と温泉施設への観光破壊が必至。
 
 ★ちなみに、町田市―多摩市では・・・
 ▲町田市小野路町に非常口が作られ、東京都で発生する
600万㎥の4割以上の250万㎥の残土が発生する。工事車両
は多摩市側からこの非常口を往復するが、工事開始から8年後
には都道18号線(鎌倉街道)を一日788台の大型工事車両が
走行すると予測されている。24時間稼働が前提。加えて、
どのルートを通って残土をどこに運ぶかは未定。市民生活に
どう影響するだろうか?

「環境影響評価書」より抜粋。○が非常口の建設現場。
横の点線がリニアの地下通過ルート。縦や斜めの点線は、
工事車両のルートの一部。残土運搬のルートは未定。


人形峠残る20前後のウラン残土の山の一つ。採掘から
50年たっても放射線を出し続ける。

E:ウラン残土は県外に出す?
 リニアは日本最大のウラン鉱床がある岐阜県東濃地域
を通る。
 リニアの特性上、トンネルはまっすぐ掘るため、ウラン鉱床
にぶつかると避けられない。
 昭和30年代、人形峠(岡山県・鳥取県)でのウラン採掘
でウラン残土が発生すると、そこからは常時、肺がんを
引き起こすラドンガスが放出。採掘労働者や近隣集落
で死者を出した。リニア工事でウラン残土が発生したら?
 岐阜県のJR東海・環境保全事務所は、「東日本大震災
での放射能汚染がれきの処分方法も参考にしたい」と
県外搬出を示唆。

2016年2月16日。愛知県の市民団体が東濃でのリニア
ルート上で放射線測定を実施。すると、最大で毎時
0.341マイクロシーベルトを計測。だがJR東海は一部地域
を除き、ウラン有無を確認するボーリング調査をしないと
表明している。

F:増える無人駅
 JR東海はリニアで経済活性といいながら、12年8月以降、
20以上の駅の『簡易委託化』と『無人化』を決定。長野県
では、飯田線の12の有人駅のうち9駅が13年度からの
無人化を通達された。このなかには、リニア計画に賛同をし、
あるいは期待をしていた自治体もあった。たとえば、
〇南木曽駅(南木曽町)
 中央線でも、特急が停まり、人気の観光地・妻籠宿
への入り口、南木曽駅も無人化か簡易委託化が打ち出
された。JR東海に無人化の撤回を要求したが覆らず、
街は今、街の予算数百万円で駅員を配置している。

G:消費電力と電磁波
 JR東海が認めている数値でも、リニアは従来の新幹線
の3倍の電力を消費する。
心配される一つが強力な電磁波だ。電磁波は、「リニア
車内の値」と「超高圧線近くの値」で注視したい。
 大阪府門真市の古川橋変電所には15万ボルトの
高圧送電線が集まっている(写真左)。

大西勇(故人)さんは、町内約250人のうち、亡くなった人の
家を地図上にマークすると、高圧線群を中心に直径150mの
範囲で、過去10年で18人の白血病死亡者がいた。死亡
年齢は7~72歳。大阪府平均の白血病死亡率の120倍以上だ。
 世界的な評価を受けた、カロリンスカ研究所が出した危険
レベルは3ミリガウス。日本の国立環境研究所の兜真徳
研究員(故人)が中心となった疫学研究でも、
「4ミリガウス以上の電磁波被曝で小児白血病の発病率が
2.73倍、小児脳腫瘍は10.6倍になる」との報告は、
WHO(世界保健機関)から高評価を得た。
100万ボルトの超高圧線なら、200m離れてもその磁界値は
4ミリガウス。リニア実験線近くの変電所には苅羽柏崎原発
から50万ボルトの超高圧電流が送られた。リニア本線の
ための高圧線がどこを走るかは押さえたい。

H:国費投入はあるか?
 リニアは、2027年に品川・名古屋開通。45年に大阪まで
開通。建設費約9兆円をJR東海が自費負担する計画だ。
だが、超巨大事業で当初の予算で上がったためしがない
からだ。市民団体との交渉の席で、国交省は、
「国費投入は、あり得るともあり得ないとも言えない」と
可能性を匂わせる。
山本太郎議員(生活)の参議院内閣委員会での「建設費
が途中で尽きたら国費投入はあるのか」との質問に、
石破地方創生大臣は「その可能性は否定できない」と回答している。
 自民党は党内の「超電導リニア鉄道に関する特別委員会」で、
名古屋・大阪間の3兆6000億円はJR東海に国費で無利子
融資すべきと決議。関西の経済界も大阪同時開通のために
「国費投入」をとの決議を出している。
★某・準ゼネコンの話――「当社はリニア事業には参画しません」
「当社はリニア事業には参入しません。ペイしないからです。
ゼネコンを含め、誰もリニア工費が名古屋まで5兆5000億円
で上がるとは信じていません。2倍、3倍はかかります。
現代の建設工事は「総価請負方式」と言って、請負報酬を
一定の金額に定めて工事契約を行うのですが、特に、リニアは
、「JR東海の自費でまかなう」=「国費が投入されない」ことが
前提なので、それが徹底されます。さらに、工事で発生する
水枯れへの補償や、出水した水をPH調整や不純物除去して
河川に戻す施設の運営も私たちの仕事になり、とてもでないけど
ペイしません。だから今、ゼネコンが国に働きかけて、国費投入を
引き出そうとしていると私は見ています」

2.住民運動の現状
地域を超えた住民運動――いわゆる市民運動――は
下記の(1)のような活動を展開している。
だが一方で、町会や自治会レベルでは、多くの人が、
リニア計画を「迷惑」と捉え、懸念は表明するが、
「反対」や「納得できない」などの声を正面からは上げない。
いくつかの理由がある。
▲「他の都県で賛成しているのに(誤認識)、うちらだけで反対
はしきれない」 
▲「国策には逆らえない」 
▲「地域のボスが怖い」 
▲「反対を言ったら近所付き合いがしんどくなる」等々。

本当に地域住民にできることはないのか。
(1)「リニア新幹線沿線住民ネットワーク」など市民団体が行ってきたこと
★集会や署名活動、機関誌の発行などの周知活動。 
★影響を受ける地域の現地調査(非常口建設予定地など)
★2013年に「リニア新幹線沿線住民ネットワーク」として
国土交通省と交渉。以後、幾度も省庁交渉を展開。
★14年12月16日、国交大臣が10月16日にリニア計画を
認可した承認処分についての「処分取り消し」を求める
異議申立書を全国から集める。予想以上に集まった
5048通を国交省に提出。
★15年7月29日、「リニア・市民ネット山梨」は、
建設予定地で立木トラスト実施(県内外から約500人が賛同)を公表。
★16年春、事業認可取消を求める「ストップ・リニア!訴訟」予定。

(2)動き出した自治会レベルでの運動
 町会や自治会レベルでも動きが起きている。
★事例1:山梨県富士川町小林地区 「戸別訪問は受けない」
・2015年2月、リニアが通る予定の小林地区に突如、「中心線測量を
やります」との回覧版が回ってきた。住民は驚き、緊急集会を開催。
・決まったのは、「JR東海や県職員の戸別訪問は受けない」。
「窓口を一個人に一本化する」。その窓口に83歳の有泉實(みのる)さんが
就いた。戸別訪問で、「特別に補償を上積みします」などの話をされると、
折れる住民もいるからだ。
・有泉さんは地域でリニア反対の署名を集め、直接JR東海に手渡した。
自分だけが窓口であることをJR東海に伝えると、現在、測量は始まっていない。
・「戸別訪問を受けない」と決めたのは、他にも同県中央市の布施第5自治会、
岐阜県の某自治会などがある。
・南アルプス市のある自治会では、JR東海の丁寧ではない説明会に
対して「この説明会はなかったことにしてほしい」と告げ、以後、説明会
自体を拒否している。
★事例2:山梨県中央市 「立ち木トラスト」
・今年5月、中央市極楽寺の高橋地区に突如、「中心線測量をやります」
との回覧版が回ってきた。事前に何の連絡もなかったと住民たちは
抗議書をJR東海に直接手渡す。以後、測量は開始されていない。 
・さらに、住民の一人は、自身の桑畑をリニアが通る、つまり土地
収用の対象となるため、15年7月下旬、市民団体「中央市リニア対
策市民の会」と「リニア市民・ネット山梨」の協力を仰ぎ、405本の桑
の木で「立ち木トラスト」を始めた(現在約500本)。同様の運動は
神奈川県相模原市緑区で始まる。
★事例3:相模原市緑区寸沢嵐 工事用車両を通さない
 ・工事が始まれば、場所によっては、残土を積んだダンプが
自宅前を一日に800台も通り過ぎる。ある町会が「受け入れら
れない」との意志を固めそれをJRに伝えた。今後のJR東海と
市とのやりとりに注視したい。
 「自宅前にそれだけのダンプが通るのは嫌だ。他地域が賛成
か否かは関係ない。俺が嫌なんだ」(ある住民)

 まだまだ事例はあるが、課題もある。同じ問題が起こるのに、
地理的に距離が遠いと自治会や住民組織とが連携をもたない
ことだ。住民同士をつなぐコーディネートが必要だ。同じ問題を
もつ者同士が知り合うことで「他の地域でも、計画に賛同して
いない住民がいた」と実感できるのは心強い。

3.外国の事例
 諸外国で浮上式リニア鉄道を本気で導入しようと考えている国
はほぼ皆無だ。
①ドイツ
ドイツでは常電導方式で地上1センチに浮上してのリニア事業が
計画されていた。ミュンヘン市内とミュンヘン空港との37キロを、
最高時速450キロで約10分で結ぶ予定だった。
 日本との共通点は、このリニア事業が民間企業(3社による共同
企業体)のプロジェクトであったこと。需要予測が同区間の4倍に
なるとバラ色の想定をしていたこと。
 この過大な需要予測に、ドイツ連邦議会は96年、「磁気浮上
鉄道需要法」を制定し、確実な需要予測の連邦会議への提出
を義務付けた。だが、3社はそれに応えられなかった。つまり
過大な予測であることを認めたということだ。
 加えて06年、リニア実験線で、走行中のリニアが停止していた
工事用車両と衝突し、試乗者23人が死亡。さらに、当初の事業
費約2900億円が、倍近い約5500億円に膨張するに至り、2008年、
ドイツ政府は開発中止を決定。

②中国
 そのドイツが、リニアを売り込んでいたのが中国の上海だ。
 上海では、空港から市の中心部に向かって30キロ地点までを
リニアが7分半で走る。乗車した私の知人も「速かった」と言っていたが、
同時に「不便だ」とも言った。というのは、市内に行くにはリニア終点から
バスに乗り換えなくてはならないからだ。08年1月、リニアが発生させる
強力な電磁波による健康被害を恐れた数千人もの上海市民が、
「リニア反対」と連呼し、プラカードなどを掲げて大規模なデモを展開した。
その結果、当局が延伸中止を決めた。
 
③アメリカ
 安倍首相が訪米のたびに「リニアやりませんか?」とセールスを
している。ルートは、ワシントンDCとメリーランド州のボルティモア間。
リニアで約15分。総工費1兆円以上。技術料は無料で提供。
建設費の半額も融資するという条件を示している。
 今月、米連邦政府は、このリニア計画に補助金2780万ドル
(約34億円)の交付を認めた。
 だが、兆単位の事業にアメリカがどう乗り出すのかはまったくの
不透明。

●JR東海への質問は、「中央新幹線工事事務所」まで(平日9時~17時)
 東京都港区高輪3-24-16 ISAビル3階(JR品川駅高輪口 徒歩5分)
 電話 03-6847-3701
 直接訪問には要事前連絡。訪問できるのは3人まで。


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