2010年3月31日水曜日
2010年3月30日火曜日
2010年3月29日月曜日
2010年3月28日日曜日
しげふみメモ : Twitterのページングは page=-2 で最初のページが見られる
Twitterで初めてフォローした人を思い出してみます。
私は現在550人ほどフォローしていますが、今でも覚えています。
忘れていても、フォローしているユーザーのページを次々と見ていけば、最後のページに答えがあります。(リムーブしていなければ)
でも、何百人もフォローしていると大変かもしれません。ということで、豆知識をひとつ。
「?page=-2」を付ければ最初のページが見られます。フォローしているユーザー一覧の最初のページ
http://twitter.com/following?page=-2フォローされているユーザー一覧の最初のページ
http://twitter.com/followers?page=-2これで、自分がTwitterを始めた頃にフォローした人や、フォローしてくれた人を再確認するのも面白いですね。
Twitterを始めたばかりの頃の、フォローする時のドキドキや、フォローされた時の嬉しさは、今でも覚えています。自分以外の人でも見ることができます。
http://twitter.com/shigefumi/following?page=-2
http://twitter.com/shigefumi/followers?page=-2
(フォロワーが何十万人もいるようなアカウントだと、初期のフォロワーはうまく表示されないようです)いろんなIDの twitter.com/○○/followers?page=-2 と twitter.com/○○/following?page=-2 を見てまわるのもなかなか面白い。http://twitter.com/shigefumi/statuses/8236302270このtweetは2010年1月26日だったので、僕はその日に知ったようです。たぶん誰かがつぶやいていたのだと思います。
リムーブしたりブロックしたりすれば、順番はある程度変えられる気もしますが、気になる人の最初のフォローやフォロワーを見てみるのも面白いかもしれません。
もしかしたら人間関係がわかる事もあるかも。関連URL
最初のフォロワーを確認。FirstFollower.com
Twitterを始めた日を確認。When Did You Join Twitter?ブックマークレットも置いておきます。
ブックマークバー等にドラッグ&ドロップしておけば、誰かのIDがあるTwitterのページで使えます。
フォロー一覧の最初のページ: first following page
フォロワー一覧の最初のページ: first followers page同様に、リストメンバー一覧も ?page=-2 で最初のページが確認できます。
http://twitter.com/shigefumi/subscribed-to-your-blog/members?page=-2
これは自分がフォローしていて、その人のブログをRSSリーダーで購読しているリストです。つい最近作成しました。
「あなたのブログを購読していますよ」というのが届くと嬉しいです。
2010年3月26日金曜日
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ユダヤ第三神殿の建設
ユダヤ第三神殿の建設
2010年3月24日 田中 宇3月15日、パレスチナ(イスラエル)の聖都エルサレムで、フルバ・シナゴーグというユダヤ教の礼拝所の再建竣工式がおこなわれた。エルサレム旧市街のユダヤ人地区にあるこのシナゴーグは、18世紀に建てられたものの数年後に破壊され、19世紀に再建されたが1948年のイスラエル独立時の中東戦争でアラブ軍によって再び壊された。67年の第三次中東戦争でイスラエルがエルサレムを占領した後、シナゴーグの再建が検討され、最近になって再建工事が進み、三度目の再建が実現した。 (Hurva Synagogue From Wikipedia)
3月15日にフルバ・シナゴーグが再建されたことは、ある「預言」と関係している。18世紀にリトアニア(当時はポーランド)のビリニュス(ビルナ。当時の欧州ユダヤ文化の中心地のひとつ)に住んでいたビルナ・ガオン・エリア(Elijah ben Shlomo Zalman)という高名なラビ(ユダヤ伝道者)が「フルバ・シナゴーグが3度目に再建された時、第三神殿の建設が始まる」という預言を残していたと報じられている。 (Vilna Gaon From Wikipedia) (If the Vilna Gaon was right, the 3rd Temple is on its way)
「第三神殿」とは、旧約聖書(ユダヤ教とキリスト教)の教えの中にある、エルサレムの「神殿の丘」に再建されると預言される神殿である。預言によると、第三神殿の再建はイスラエルと反メシア勢力(もしくは抽象的に善と悪)との最終戦争(ハルマゲドン戦争)が起きる直前に行われる。旧約聖書などの解釈では、第三神殿が再建された後、イスラエルと反メシア勢力との最終戦争が起こり、その最中に救世主(キリスト、メシア)が第三神殿に再臨し、最終戦争を終わらせてくれて、その後千年の至福の時代が訪れることになっている。 (Third Temple From Wikipedia) (キリストの再臨とアメリカの政治)
歴史上、エルサレムのユダヤ人の神殿は、紀元前10世紀から紀元前6世紀の「バビロン捕囚」まで存在した「ソロモン王の神殿」(第一神殿)と、バビロン捕囚後から紀元後70年のローマ帝国による破壊まで存在した「ゼルバベル王の神殿」(第ニ神殿)の2回にわたって建設と破壊を繰り返している。その関係で、今後再建されるものが「第三神殿」と呼ばれている(こうした「歴史」自体、旧約聖書とその周辺にある「作り話」「神話」だという人もいるが)。
第三神殿の建設予定地は、古代に2回ユダヤの神殿が建設されていたエルサレムの「神殿の丘」であるが、そこは現在、メッカとメディナに次ぐイスラム教にとっての第三の聖地であり「岩のドーム」と呼ばれるモスク(イスラム礼拝所)が建っている。ユダヤ教の第三神殿を建設するには、イスラム教徒にとって聖なる岩のドームを壊さねばならない。キリスト教とイスラム教は、教義的にユダヤ教からの派生(口の悪いユダヤ人に言わせると「イスラム教はユダヤ教の違法コピー」)であり、そのために聖地の重複が起きている。
中東和平が進展した1990年代には、ユダヤ教の研究者の中から「古代のユダヤ神殿は、岩のドームと全く同じ場所ではなく、100メートルほど離れた場所にあった。だから第三神殿は、イスラムの岩のドームのとなりに作り、2つの宗教が同じ聖地を共有する形にすべきだ」とする、パレスチナ和平にとって都合の良い新解釈も出された。だが、今のイスラエル右派はこの説を採らず「岩のドームを壊して第三神殿を作ろう」と叫びつつ「ユダヤ人以外はエルサレムから出て行け」と求めるビラを市内でまいている。 (Third intifada in pipeline: PLO official)
▼神殿の建設はすでに始まっている?
旧約聖書の解釈と、ビルナ・ガオン・エリアの預言の両方が正しいとすれば、3月15日にフルバ・シナゴーグが再建された翌日の3月16日から、第三神殿の建設がひそかに始まっていることになる。この話を真に受けて、パレスチナ人や他のアラブ人、イスラム世界の全体が、イスラエルへの非難を強めている。パレスチナでは「インティファーダの再開」を呼びかける声も強まっている。 ('Hurva synagogue prelude to al-Aqsa destruction')
ニューヨークタイムスなどのマスコミは「フルバ・シナゴーグ竣工が一つの理由となって、パレスチナ人やアラブ人の反イスラエル運動が激化している」と書いているものの「イスラム教徒にとってこのシナゴーグ竣工が問題なのは、岩のドームを壊すユダヤ第三神殿の建設につながるからだ」という、深い部分の説明を書いていない。「第三神殿」というキーワードはメディアの表側に出ず、イスラム世界とユダヤ人の双方の口コミで広がっている(中東でイスラム教を熱心に信仰する貧困層は新聞など見ず、情報源はモスクでの説教である)。 (Rebuilt Synagogue Is Caught in Disputes Over Jerusalem)
おりしも3月10日には、米国のバイデン副大統領がパレスチナ和平推進のためにイスラエルを訪問している間に、イスラエル政府の住宅担当大臣が、エルサレム市内北部の占領地域内に1600戸の住宅建設に許可を出した。これは「占領地内の住宅建設を凍結せよ」と求めていたバイデンらオバマ政権の高官たちを激怒させた。イスラエルのネタニヤフ首相が住宅建設許可を撤回しなかったため、米イスラエル関係は30年ぶりといわれる悪化を見せている。米政府がイスラエル非難に回ったため、パレスチナ人などイスラム世界の人々は、ここぞとばかりに反イスラエル運動を強めている。マスコミ報道は「占領地内の住宅建設問題で、世界がイスラエルを非難している」と報じている。
しかし私の分析では、イスラム世界を激怒させている大きな理由は、第三神殿とつながるフルバ・シナゴーグ竣工の方である。パレスチナ人などのアラブ人の多くは、米国がイスラエルに牛耳られていると認識しており、米国のイスラエル非難は口だけだと以前から思っている。
▼イスラム教徒を怒らせるための神殿建設話
フルバ・シナゴーグの竣工は、一見すると「預言の的中」のように見えるが、実はそうではなく「預言に合わせた」もしくは「預言をだしに使った」だけである。イスラエル側は67年にエルサレム旧市街を占領して以来、いつでもシナゴーグを再建できたはずだ。実際にイスラエル政府がシナゴーグ再建を認可したのは2000年のことだ。
時期的に、95年のラビン首相暗殺によって中東和平が座礁し、97年にネタニヤフが首相になって、イスラム教徒をパレスチナから追い出す右派主導の戦略を開始し、01年に911事件が起きて米国を「反イスラム戦争」(テロ戦争)に巻き込んでいく流れの中で、シナゴーグの再建工事が始まっている。フルバ・シナゴーグの再建は、イスラム教徒を激怒させ「米国対イスラム」の戦いを誘発し、パレスチナからイスラム教徒を追い出す戦略の一部と考えられる。
シナゴーグ竣工式の10日前の3月5日には、イスラエルの警察隊200人が「パレスチナ人が観光客を襲撃した」という言いがかりを口実に、金曜礼拝中の「岩のドーム」を襲撃し、パレスチナ人礼拝者たちと激突し、逮捕者を出している。パレスチナ人に「第三神殿を作るために岩のドームを壊しにきた」と感じさせる動きがとられている。 (Israeli forces raid Al-Aqsa compound)
神殿の丘と並んび、イスラムとユダヤの聖地が重なっている重要な場所として、パレスチナ(西岸)の町ヘブロンの「マクペラの洞窟」がある。イスラムとユダヤの両方の重要人物であるアブラハム(イブラヒム)の墓なのだが、イスラエル政府は、この聖地を「イスラエルの国家遺産」に指定すると3月3日に発表した。これも、パレスチナ人やその他のイスラム教徒を怒らせるための扇動策に見える。イスラエル軍は以前から、マクペラの洞窟(イブラヒム・モスク)に出入りするイスラム教徒の礼拝者に入場制限などの嫌がらせを続けてきた。 (Netanyahu: Israel Will Not Change Status Quo at West Bank Holy Sites)
▼聖書の展開どおりに事件を起こす
米国のキリスト教原理主義者たちの聖書解釈によると、キリスト再臨への流れは(1)ローマ帝国に滅ぼされたイスラエル国家が再建される(2)イスラエルが強くなり、エジプトからイラクまでを支配する(3)エルサレムに第三神殿が建てられる(4)イスラエルと反イスラエル勢力との最終戦争が起きてキリストが再臨する、という展開だ。イスラエルは1948年に建国し(1)はすでに成就した。ブッシュ政権でイスラエル右派系のネオコンが戦略立案を握り、イラク占領やイラン威嚇などの「中東民主化」を展開したことで、中東におけるイスラエルの影響力が間接的に強まり(2)が実現したと考えられる(エジプトは以前から米国の傀儡だ)。今後、イラン、ヒズボラ、シリアなどとイスラエルが中東大戦争を起こせば(4)になる。その間にある(3)が、間もなく起きても不思議ではない・・・
・・・こんな風に考えることは十分に可能で、米国のキリスト教右派や、イランのシーア派の中には、救世主の再臨が近いと思っている人が多い(イスラム教の中でもシーア派には、マフディという救世主の再臨が教義に盛り込まれ、強く信仰されている)。日本でも「ハルマゲドンが近い」と書くと「いよいよ来たか」と真剣に思う人がけっこういそうだ。
しかしよく見ると、911以来の米イスラエルの動きの中には、むしろこの「ハルマゲドン神話」を利用して、預言のとおりに事態が運命的・必然的に展開していると人々に思わせる、米イスラエルの右派勢力による国際政治戦略が見え隠れしている。たとえば03年、イラク占領の開始時に米軍が最初の会議を開いたのは、イラクのウルという町で、聖書によると、ここはユダヤ人の始祖アブラハムの故郷である。
当時は、ブッシュ前大統領が聖書をよりどころにしているという記事も繰り返し報じられた。今回のフルバ・シナゴーグの竣工も、過去の預言に合わせて実施されている。古今東西の新興宗教の中には、既存の大宗教に似せてだましのからくりを作り、信者に「教祖は奇跡を起こした」「的中する預言を放った」と思わせるものが多いが、それらと似た手口である。米イスラエル右派が特別な点は、ユダヤ教の右派や米キリスト教原理主義といった、本物の大宗教の勢力を巻き込んだ点である。
私の予測では、ハルマゲドン的な大戦争は起きるかもしれないが、キリストは再臨しない(自分こそ再臨したキリストだと吹聴する者は出現するかもしれないが)。ユダヤ人による「岩のドーム」に対する破壊は試みられるかもしれないが、それはイスラム教徒を怒らすためであり、延々と「破壊するぞ」という脅しが繰り返されるだけで、実際には第三神殿は作られないだろう(イスラム教徒の怒りが足りないと、岩のドームが壊されて第三神殿の建設が着工するかもしれないが)。
▼米イスラエル内部の暗闘
しかし、そもそも米イスラエルの右派とは何者なのか。何のためにイスラム教徒を怒らせるのか。私がこの問いに突き当たったのは、911後にブッシュ政権内で右派が台頭し、イラク侵攻に向かった02年夏ごろからだ。当初の私は「米国対イスラム」の図式を作り、米軍を中東に恒久駐留させて、イスラエルの支配地域を拡大するのが右派の戦略だと思っていた。しかし02-05年に、イスラエルで右派の頭目といわれてきたシャロン首相が「占領地からの撤退」をしだいに強く掲げるようになって、これは違うぞと思った。 (イスラエルの清算) (イスラエルの綱渡り戦略)
右派(ネオコン)が国防総省を握って米軍をイラクに恒久駐留させ、イスラエルの拡張戦略は成功しているのだから、イスラエルは占領地から撤退する必要などないはずだったが、シャロンは国内右派の猛反対を押し切ってガザから撤退し、西岸との間に隔離壁を設け、西岸併合とは逆方向に進もうとして、その挙げ句、シャロンは脳卒中(と発表されている何事か)で再起不能になった。
どうやら、拡張戦略は米国からの押し売りでイスラエル側の本意ではなく、むしろシャロンは、中東で反イスラエル的なイスラム主義が極度に強まるのはイスラエルにとって脅威だと考えていたようだった。歴史を調べてみると、イスラエルの右派(入植者)の多くは70年代以降に米国からイスラエルに移住したユダヤ人政治活動家で、イスラエルの政治は、この米国系の右派に乗っ取られている。シャロンはもともと右派に支持されて政権についたが、その後、右派がイスラエルを危険にしていることに気づき、転換を画策している間に死んだ(殺された?)。
シャロンが植物人間になった後、副首相から昇格して政権を引き継いだオルメルトは、右派に騙されて06年夏にレバノンのヒズボラとの戦争になり、あと一週間停戦しなかったらシリアやイランとの戦争に発展するという、中東大戦争の一歩手前までいっていた。オルメルトを騙したのは、米国のチェイニー副大統領らだった。要するに、米国のネオコンやチェイニー、AIPAC(在米ロビイスト組織)といった米国の右派と、リクード(入植者が多い右派政党)などイスラエルの右派は、親イスラエルのふりをして、イスラエルをイスラム側との戦争に陥れて潰そうとする隠し戦略をやっていた。06年夏のレバノン戦争を停戦に持っていったのは、シャロンの秘蔵っ子といわれるリブニ外相だった。
06年初めには、米ブッシュ政権はイスラエル政府の反対を押し切ってパレスチナで選挙を実施させ、イスラエル敵視のイスラム主義勢力ハマスを勝たせてしまった。これ以来「中東民主化」は、中東をイスラム主義化、反イスラエル化する戦略と同義になった。 (ハマスを勝たせたアメリカの「故意の失策」)
その後、08年にオルメルト首相が汚職事件で辞任を決め、外相だったリブニが次期首相になると思いきや、組閣に失敗して総選挙となり(多党体制のイスラエルは必ず連立を組まねばならないが、右派が画策すると連立政権が組めない)、選挙ではリクードが勝って、AIPACなど米国の右派とのつながりが深いネタニヤフが首相となった。もしリブニが首相になっていたら、シャロンの遺志を継いで入植地の撤退を何とか進めようとしただろうが、右派とのつながりが深すぎるネタニヤフでは無理だ。 (米覇権衰退を見据える中東) (U.S. era of Jewish and Evangelist pressure is over)
米国では、右派の色彩が前面に出ていたブッシュと対照的に、今のオバマは右派戦略からの脱却を掲げて当選した。だが「かしこい」オバマは、米中枢の既存勢力との衝突を避け、外交と経済という二本柱の戦略立案を、共和党系を含む従来勢力に任せた。その結果、政権内に「隠れ右派」が多数入り込み、見かけはブッシュ時代と反対だが本質は同じという結果になっている。
米イスラエル右派の下っ端の人々は、本気でイスラエル強化やキリストの再臨を支持している純粋な右派なのだろうが、右派の上の方には、右派のふりをした反右派が入り込んでいる。彼らは「テロ戦争」を過剰にやって失敗させ、イスラム主義を扇動して、70年代以来米政界を牛耳ってきたイスラエルを自滅させようとしている。彼らは本質的に、米国の財政赤字とドルを過剰発行して米国の単独覇権(英国とイスラエルが米国の戦略を動かしてきた世界体制)を崩壊させようとしている「隠れ多極主義者」と同一である。ネオコンはキッシンジャーを敵視していたが、この敵視は演技だろう。 (イスラム過激派を強化したブッシュの戦略)
▼表向き同盟国、裏で関係悪化の仕掛け作り
先日、米国のバイデン副大統領のイスラエル訪問に合わせるように、イスラエル住宅省が占領地での住宅建設許可を発表し、米イスラエル関係が悪化したが、住宅省は以前から右派(入植者勢力)の牙城だ。発表は、対米関係を悪化させるための意図的なものだろう。しかも発表されたのは、占領地内の住宅建設の中でも、パレスチナ人居住地域の中にユダヤ人住宅を建設する敵対的・悪質なもの(ギロ、ハルホマ、マーレーアドミン、キリヤットアルバなど)ではなく、1980年代にイスラエル国内に併合した、ユダヤ人だけが住んでいる地域(ラマット・ショロモ、Ramat Shlomo)の住宅拡大であり、イスラエル側の認識では占領地内ではない。 (US May End Up Boosting Netanyahu)
イスラエルの世論は「ラマットショロモでの住宅建設は正当であり、米国の怒りの方が間違っている」と考えており、この世論がある以上、ネタニヤフは怒る米国に対して譲歩できない。ネタニヤフは「住宅建設の発表はタイミングが悪かった」と釈明したが、建設をやめるとは言わなかったので、米側は怒る姿勢をやめていない。米側が仕組んでネタニヤフとの関係を悪化させているのだと考えられる。米政府は表向き「イスラエルとの関係は悪化していない」「関係が良いからこそ、時には喧嘩するのだ」と言っている。 (American-Israeli relations Where did all the love go?)
米側が、表では最重要の同盟国だと言いながら裏で関係悪化の仕掛けを作るという、ややこしいやり方をする理由は、米政界がいまだにイスラエル右派に握られているからだ。3月21日、米ワシントンDCで開かれたAIPACの年次総会には、米連邦議員の約半数と、クリントン国務長官とネタニヤフ首相ら両国高官が出席した。オバマは「ちょうどインドネシアを訪問するので、出たいけど出られません」と弁解した。AIPACは、米政界で強い力を持っている。米側がイスラエルとの関係を悪化させるには「イスラエルと仲良くしたいが、あんなことをされると仲良くできません」と言える口実を作らねばならない。 (Obama Won't Restrain Israel - He Can't) (AIPAC policy meeting begins amid US-Israeli tension)
▼いよいよ反イスラエル化する米軍
これまで「右派の牙城」と思われてきた米国の国防総省も、イスラエルを潰すための隠れ多極主義的な反旗をひるがえし始めている。米軍の中東担当の最高責任者であるペトラウス大将(中央軍司令官)は最近、米議会の証言で「イスラエルと周辺勢力との和解が進まない中で、米国が親イスラエルの態度をとっているので、中東全域で反米感情が高まり、中東での米国の影響力が低下し、イラクやアフガニスタンでの米軍戦死者が増えることにつながっている」と、イスラエル非難と受け取れる陳述を行った。イスラエル右派系の圧力団体ADLはペトラウスを非難した。 (U.S. general: Israel-Palestinian conflict foments anti-U.S. sentiment) (ADL targeting ....Gen. Petraeus?)
米国でパレスチナ支持の運動をする人々は、このやりとりに飛びつき「米国民のみなさん、米軍とイスラエルのどちらを支持しますか。米軍と連帯してイスラエルを非難しよう」と呼びかけている。これまでパレスチナ支持運動は、軍産イスラエル複合体を敵視してきたが、ここにきて「軍産」と「イスラエル」が分裂し「軍産」と「パレスチナ支持者」が結託し「パレスチナ人に対するイスラエルの暴力と横暴のせいで、イラクやアフガンで無駄に米軍兵士の命が失われている」「イスラエルのせいでアルカイダが強化されている」と主張する展開になっている。 (The Petraeus briefing: Biden's embarrassment is not the whole story)(Americans -- Are You With Gen. Petraeus And Adm. MullenOr With Israel ? )
そもそも「アルカイダ」は茶番な存在だし、シャロンの例を見ればイスラエルはむしろ米側によるイスラム主義扇動の被害者であるとわかる。だが、茶番の上に茶番を重ねて、裏にある本来の目的を遂げるのが、多くの諜報戦略の特質であり、中途半端に茶番を指摘するだけでは本質を見失う。(たとえば911謀略説を唱える人の多くは「謀略だ」と叫ぶだけで、なぜ米国があの謀略を必要としたのかを十分に考えず、中途半端である)
国防総省が反イスラエル化することは、イスラエルにとって非常に危険だ。右派が立案したイスラエルの戦略は、イスラム主義を扇動することで米軍を中東に恒久駐留させ、イスラエルが米軍に守られつつ中東支配を強めるものだ。この戦略下で、米軍が反イスラエルの姿勢を強めると、米軍は「さっさと中東から撤退しよう」と考える傾向を強め、イスラエルはイスラム主義の憎悪に取り囲まれたまま取り残される。
これを防ぐためには、イスラエルは早めに中東大戦争を誘発し、イランとの戦争に米軍を引っ張り込んで、米軍が中東から出ていけない状況を作り出すしかないだろう。ハーバード大学などの学者たちが最近まとめた報告書には、そのようなことが示唆されているという。 (US-Israel spat plants seeds of crisis)
06年のヒズボラとの戦争で、チェイニー米副大統領に引っかけられたことにイスラエルが途中で気づき、リブニが急いで停戦をまとめて以来、イスラエルは米国にイラン侵攻させたいと考え、米国はイスラエルにイラン侵攻させたいと考えて、膠着状態が続いてきた。今回の米イスラエル関係の悪化は、そうした従来のバランスを崩し、イスラエルがイランに侵攻しなければ反イスラエル化する米軍が黙ってイラクから出ていき、イスラエルが取り残される新事態を作っている。
この新事態に誘導され、イスラエルがイラン(もしくはヒズボラ)との戦争に入るなら、それはハルマゲドン的な中東大戦争になり、米国の右派(隠れ多極主義者)の隠れた目的である「イスラエル潰し」が現実のものとなりうる。エルサレムのユダヤ第三神殿の建設話や、その前提となるフルバ・シナゴーグの再建と合わせ、聖書に書かれたことを「実現」する壮大な演技が展開しているように見える。
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子宮頚がん
1.子宮頚癌とは
1)子宮について
子宮は女性の生殖臓器であり、骨盤の中央に位置しています。子宮の出口付近(膣に近い部分)を子宮頚部、子宮の上部、袋の部分を子宮体部と呼び、それぞれの部位に生じるがんを子宮頚部癌または子宮頚癌、子宮体部癌または子宮体癌とよび、同じ子宮癌でも区別して考えられます。子宮頚部は子宮体部(胎児が発生する空洞の筋肉組織)の膣側にあります。子宮頚部は子宮から出てくる月経血やその他の組織を通す弁の役割をし、精子はここを通って受精にいたります。また、子宮頚部は子宮へ異物、水や感染源が入るのを防いでいます。
2)子宮頚癌の発生
子宮にできる悪性腫瘍の事を総称して子宮癌といい、子宮頚部(頚管)に発生する癌(がん)のことです。
子宮頚癌には、子宮粘膜を覆った扁平上皮にできる扁平上皮癌(扁平上皮がん)と頚管粘液を分泌する腺組織にできる腺癌(腺がん)の二つの型があります。子宮頚癌は、ゆっくり進行するものもあり、10年も表面細胞に限局していることがあります(異形成というような前癌状態や上皮内癌という初期段階)。しかしなかには急速に進行するものもあり、癌が表面細胞を越えて拡がりはじめると(浸潤癌)、その進行は速く、治療をしなければ、2~3年で死に至る可能性が高いです。
しかし一方で、検診などにより子宮頚癌は前癌病変(前がん病変)である異形成や癌(がん)が上皮内にとどまっている初期段階で発見・治療できれば、治癒率は非常に高いです。又、子宮頚癌は子宮の入り口で発生するため、産婦人科で比較的簡単に検査することができるので妊娠検査や他の婦人科の症状で検査するときに一緒に発見されることが多いです。
3)子宮頚癌の統計
性体験の若年化にともない、罹患率、死亡率ともに若年層で増加傾向にあります。20歳代・30歳代の頚癌が増加し、39歳以下では女性の癌の発生第1位は子宮頚癌です。年齢別にみた子宮頚癌の罹患(りかん)率の傾向は、20歳代後半から40歳前後まで増加した後横ばいになり、70歳代後半以降再び増加します。罹患率の国際比較では、頚癌が途上国で高い傾向があります。
4)子宮頚癌の組織分類
子宮頸癌は組織学的(顕微鏡による観察)に、扁平上皮癌と腺癌に分けられます。扁平上皮癌は、子宮頚癌の約80%を占め、残りの約20%の非扁平上皮癌のなかに腺癌や腺扁平上皮癌(扁平上皮癌と腺癌の混合型)が含まれます。以前は扁平上皮癌が多かったのですが、最近は腺癌が増えてきています。一般的に、腺癌の予後(生存率)は、扁平上皮癌と比べて不良です。その一つの原因として、腺癌は扁平上皮癌と比較してリンパ節転移率が高く、放射線療法や化学療法に対して抵抗性を示すからと考えられています。
5)子宮頚癌の原因と予防
子宮頸がんの発生は子宮体癌とは異なり、性交渉開始年齢が早い人、性交渉の相手が多い人、性交渉の相手が多い男性との性交渉がある人、妊娠・出産の回数が多い人に多く見られます。最近になって、子宮頚癌が発生しているほとんどの人に、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスに感染していることが分かってきました。このことからHPVが子宮頚癌の発生原因になっていると考えられるようになってきました。感染は性行為によって発生し、それ以外での感染は極めて稀になります。性交渉の経験がある方であればどなたでもHPVに感染する恐れがあります。HPVに感染する可能性があるということは、子宮頚癌にかかる危険性はありますので早期発見のために定期検査をすることをお勧めいたします。最近では、一部の施設でHPV検診を施行しており、HPVの自己検診も始まっています。また、喫煙も確立したリスク要因とされています。その他、経口避妊薬の使用との関連性も指摘されています。子宮頸部腺癌についても、扁平上皮癌と同様に、HPV感染や経口避妊薬の使用との関連が指摘されています。
2.症状
子宮頚癌では早期にはほとんど自覚症状がありません。子宮頚癌が進んでくると生理以外の出血(不正出血)や生理の変化(長引く、不順になる)、性交時の出血(接触出血)、黄色いおりものが出るなどの症状が出てくることが多くなります。進行した場合は、大量の不正性器出血や排尿困難、あるいは癌が骨盤まで達すると腰痛なども起こることがあります。
婦人科の症状がなくても、30歳のころから(結婚している場合は25歳くらいからでも)、少なくとも2年に1回子宮がんの検診を受けることをお勧めします。集団検診の知らせがあったらよい機会ですから、面倒でも受診されることをお勧めします。しかし、集団検診において高齢の方の受診率が極めて低いため、高齢者の方に進行した頸部がんが今なお多いのが現状です。
3.診断
1)細胞診
がん細胞は正常の細胞と異なったかたちや色合いをしています。がんの部分からこすりとった細胞や、がんから落ちてきたものをガラス板に塗り、色素で染めて顕微鏡で見ますと、がん細胞を見つけることができます。この診断法を細胞診と呼んでおり、がんを診断する各種の検査法の中でも非常に重要な方法です。
子宮頚癌は子宮の出口付近(膣に近い部分)から発生することが多いので、この部分を綿棒またはヘラのようなものでこすって細胞診を行います。この方法は簡単で痛みもほとんどなく、大勢の人に短い時間で行えますので、集団検診ではこの方法だけを行うことが普通です。そして、子宮頚癌の細胞診の検査結果は5段階(クラスI-クラスV)に分けられます。クラスI, IIは正常を、IIIaは軽度ないし中等度の異形成(前がん状態)を、IIIbは高度異形成を、IVは上皮内癌を、Vは浸潤癌をそれぞれ想定してします。ただし、細胞診だけで癌を決定することはしません。なぜなら、癌でなくても、癌と紛らわしい細胞が出ることがあるからです。そこで、クラスIII以上の場合には、多くの場合に詳しく調べる組織診が行われます。
2)組織診
疑わしい部分から組織(細胞が合わさって塊を形成したもの)をとり、標本をつくって顕微鏡で診断する方法を組織診と呼びます。子宮頚部の組織診の際は、ほとんど痛みもなく、出血も間もなく止まります。この検査は外来にて実施可能です。ただ採取する組織が小さいので、0期のがんか、それより進行したがんか、または0期にもなっていない状態かを鑑別するのが困難なことがあり、何回か組織診を行うこともあります。ときには、「円錐切除術」と呼ばれる方法で組織診を行うこともあります。この場合は、入院する必要があります。
3)コルポ診
コルポスコープという拡大鏡のような機械で、子宮頸部粘膜表面を拡大して、細かい部分を観察する診断法をコルポ診と呼んでいます。組織診の組織を採取する際に欠かせません。
4)内診・直腸診
組織診でがんと診断された場合には、がんの大きさやがんの拡がり具合を調べるために内診・直腸診が行われます。子宮頚癌は子宮の周りに浸潤しやすいため、下記の画像診断と共に内診は重要な検査です。
5)画像検査
組織診でがんと診断された場合には、がんの大きさやがんの拡がり具合、深さ、周辺臓器やリンパ節への転移の有無を調べるために画像検査が行われます。
- ◆超音波検査
体に超音波を発信し、組織に当たって反射してきた音波を捉えて画像を得る検査です。外来でできて患者さんの負担も少なく、放射線を浴びる心配がないなどのメリットがあります。
- ◆CT検査
CT検査(CTスキャン)はいろいろな角度から体内の詳細な画像を連続的に撮影しコンピュータを使って 非常に鮮明な画像を得ることができます。周囲の臓器やリンパ節転移の有無を調べることができ癌の進行具合を調べるためには重要な検査になります。
- ◆MRI検査
MRI検査は磁場を使っていろいろな角度から体内の詳細な画像を連続的に撮影する検査です。 放射線の被曝がなく超音波検査では見分けの付きにくいがんもMRI検査で診断できる場合があります。がんの状況、近傍臓器との関係などをよく把握することができるため手術前の検査としては重要な検査です。
- ◆PET検査
現時点では限られた施設にしかありませんが、細胞分裂の盛んな細胞(癌)はエネルギー(ブドウ唐)を正常細胞よりも多く消費するという性質を利用した画像検査PET(ペット)が行われるようになってきました。
検査ではまず、「フッ素18」という放射性物質を付けたブドウ糖(FDG)を静脈注射します。他の細胞と比較して異常な速さで増殖するがん細胞は多くのエネルギーを必要とし、ブドウ糖をより多く消費する性質があります。ブドウ糖はがんの部分に集まり、それだけ放射線を多く放出するので画像で濃く見えるのです。
患者さんの苦痛がないことが大きなメリットです。
6)血液検査
子宮頚癌の検査に使用される血液検査と基準値を示します。基準値は施設によって基準値が異なりますので詳しくは検査機関にお問合せ下さい。また、これらの数値は子宮頚癌以外の病気でも高くなることがありますので、目安としてお考え下さい。
- ◆SCC 基準値 1.5ng/ml以下
SCC抗原は食道がん、子宮頚癌、肺癌、頭頚部癌、などの扁平上皮癌患者の血中に高頻度に検出されることが報告されており、それらの優れたマーカーとなります。
- ◆CEA 基準値 5.0ng/ml以下
CEAは子宮頚癌、胃癌、大腸癌などの消化器癌、胆道癌、膵癌、肺癌などのさまざまな臓器由来の癌に幅広く出現するため、その診断補助および術後・治療後の経過観察の指標として有用性が認められています。
- ◆CYFRA(シフラ) 基準値 2.0ng/ml以下
肺の非小細胞癌、特に扁平上皮癌や腺癌で多量に産生されます。また、各種婦人科癌でも高値を示すことが報告されています。
4.病期(ステージ)
ひとたび子宮頚癌と診断されると、がんが身体の他の部位に拡がっているかどうか、さらに詳しく検査が行われます。医師は治療を計画するために、がんの進行程度を知る必要があります。子宮頸部がんには次のような病期分類が用いられます。
0期または上皮内がん(CIS)
0期の子宮頚癌は非常に早期のがんです。がんは子宮頸部の上皮内のみに認められます。
I期
がんが子宮頚部に限局して認められ、他へ拡がっていない状態(ただし子宮体部浸潤の有無は考慮しません)
Ia期
組織学的にのみ診断できる浸潤がんで、肉眼的に明らかな病巣はたとえ表層浸潤であってもIb期とします。
浸潤は、計測による間質浸潤の深さが5mm以内で、縦軸方向の拡がりが7mmを超えないものとします。浸潤の深さは、浸潤がみられる表層上皮の基底膜より計測して5mmを超えないもので、脈管(静脈またはリンパ管)侵襲があっても進行期は変更しません。
- Ia1期:間質浸潤の深さが3mm以内で、拡がりが7mmを超えないもの
- Ia2期:間質浸潤の深さが3mmを超えるが5mm以内で、拡がりが7mmを超えないもの。ただし子宮頚部腺癌についてはIa1、Ia2期の細分類は行いません。
Ib期
臨床的に明らかな病巣が子宮頸部に限局するもの、または臨床的に明らかではないがIa期を越えるもの
- Ib1期:病巣が4cm以内のもの
- Ib2期:病巣が4cmを超えるもの
II期
がんが子宮頸部を越えて拡がるが、骨盤壁または、膣壁の下1/3には達していないもの
- IIa期:がんは膣壁に拡がっているが、子宮頸部の周囲の組織、すなわち子宮傍組織には拡がっていないもの
- IIb期:がんが子宮傍組織に拡がっているが、骨盤壁まで達していないもの
III期
がんが骨盤壁まで達するもので、がんと骨盤壁との間にがんでない部分を持たないもの
または膣壁浸潤が下方部分1/3を越えるもの
- IIIa期:がんの膣壁への拡がりは下方部分1/3を越えるが、子宮傍組織への拡がりは骨盤壁にまで達していないもの
- IIIb期:がんの子宮傍組織への拡がりが骨盤壁にまで達しているもの、または腎臓と膀胱をつなぐ尿管ががんによりつぶされ、水腎症や無機能腎を認めるもの
IV期
がんが小骨盤腔を越えて拡がるか、膀胱・直腸の粘膜にも拡がっているもの
- IVa期:膀胱や直腸の粘膜へがんが拡がっているもの
- IVb期:小骨盤腔を越えて、肺のような遠隔臓器にがんの転移があるもの
5.治療
子宮頚癌の治療法は子宮を摘出する手術や放射線療法が中心となります。しかし、異形成や上皮内に限局するがん、早期の子宮頚癌に対しては患者さんに妊娠・出産の希望がある場合には子宮を残した治療を行うこともできるようになってきました。
【手術療法】
- <手術療法-円錐切除術>
- 扁平上皮癌:
子宮頚部をメスや電気メスを用いて円錐状に切除する方法で、子宮頸癌の進行具合を調べるための検査としても行われます。切除した組織を顕微鏡で詳しく検査し、それ以上がんが拡がっていなければこの時点で治療は終わります。 しかし、0期またはIa1期であると考えて円錐切除術を行ったが実際にはIa2期以上だった子宮頚癌の場合には広汎子宮全摘出術が必要になります。 術後は妊娠できますが、頚部が切除されるため子宮口が広がりやすく流・早産の危険性が高くなることがわかっています。
- 腺癌:
円錐切除標本で癌が取りきれたと思った場合でも、20%に癌が残存するこという報告があります。そのため、扁平上皮癌と比較し、子宮の温存には慎重を要します。そのため、0期の子宮頚部腺癌の基本的治療は単純子宮全摘術です。
- <手術療法-レーザー蒸散術>
上皮内癌に適応となる治療法で、癌にレーザーを照射して焼き殺す治療です。 妊娠・出産への影響が少ないのが利点ですが、癌の部位を焼くだけで、その奥に癌が残っているかを顕微鏡検査で確認できないため、浸潤が疑わしい場合には円錐切除術を選択するのが無難といえます。
- <手術療法-単純子宮全摘出術>
Ia1期までのごく初期の子宮頸癌の場合には子宮だけを摘出する単純子宮全摘出術が行われます。開腹して行う方法(腹式)と、膣から摘出を行う方法(膣式)がありますが、腹式の方が確実性が高いため通常は腹式となりますが、上皮内がんの場合には膣式で行われることもあります。膣式は傷跡が小さく、術後の開腹も早くなるメリットがあります。
- <手術療法-拡大子宮全摘出術>
Ia1期の子宮頚癌が適応になる手術で、子宮とともに周囲の組織や膣の一部などを切除します。骨盤内のリンパ節を切除することもあります。
- <手術療法-広汎子宮全摘出術>
Ia2、Ib、II期の子宮頚癌に適応される手術です。子宮とともに膣や卵巣、卵管など周囲の組織も広い範囲で切除します。がんがリンパ節にも転移している危険性が高いので骨盤内のリンパ節の切除も同時に行います。
- <手術療法-骨盤除臓術>
がんが子宮頚部ばかりでなく女性性器外に拡がっていると、子宮・膣とともに下部結腸、直腸、膀胱も切除する必要が出てきます。これを骨盤内臓全摘術といいます。術後は人工肛門や尿路を再建する回腸導管、膣を再建する造膣術などの形成手術が必要となります。
【放射線療法】
放射線療法は高エネルギーの放射線を使ってがん細胞を殺す治療方法です。欧米では比較的早期の子宮頚癌に対しても放射線療法を行うことが主流になっていますが、日本ではIII~IV期で手術ができない場合、または再発した場合などに行われることが一般的になっています。
放射線は体外から放射線を照射する外照射と子宮内に放射線源を入れて照射する腔内照射があり、組み合わせて行うこともあります。また、広汎子宮全的手術や骨盤内臓全的手術など大きな手術後にがんが残っている可能性が疑われた場合にも、放射線療法が行われることがあります。
放射線の照射量には決まりがあり、無理をして大量の放射線照射を行うと強い副作用が出る可能性が高いため注意が必要です。
【化学療法(抗がん剤治療)】
子宮頚癌が遠隔転移などのために外科療法で切除しきれない場合や、手術後にがんが再発した場合には化学療法(抗がん剤)による治療を行います。また、腫瘍が大きい場合などに、手術前の化学療法として動脈内への抗癌剤投与などを行なうこともあります。
使用される抗がん剤としては「シスプラチン(商品名:ランダ)」「カルボプラチン(商品名:パラプラチン、カルボメルク)」「ネダプラチン(商品名:アクプラ)」「イホスファミド(商品名:イホマイド)」「ブレオマイシン(商品名:ブレオ)」「マイトマイシンC(商品名:マイトマイシン)」「イリノテカン(商品名:トポテシン)」などがあります。
【放射線化学療法】
この治療法は放射線療法と化学療法を同時に進めていく方法で、子宮頚癌に放射線療法を行う際に同時に白金製剤(「シスプラチン」「ネダプラチン」や「カルボプラチン」)の抗がん剤の投与を併用することで治療成績がよくなることが最近報告されており、両者を併用した放射線化学療法を行なうこともあります。
6.病期(ステージ)別治療
上記の各種治療法は、がんの進行状況、すなわち「病期」により選択され、その他がんの大きさ、年齢、全身状態、将来の出産の希望の有無などを考慮して決定されます。なお、妊娠中の頚癌の治療は、病期と妊娠月数との兼ね合いで遅らせることができるかもしれません。
0期
次のうちいずれかの治療が行われます。
- レーザー治療
- 円錐切除
- 腹式・膣式子宮全摘
閉経後の婦人や、妊娠、出産の希望のない婦人に対しては原則として子宮を摘出します。
I期
がん細胞が正常組織にどのくらい深く浸潤しているかにより、次のうちいずれかの治療が行われます。
- Ia期
- 子宮全摘、両側付属器切除(通常、若い婦人では卵巣を残します)
- 円錐切除(将来、挙児を希望する場合)
- 準広汎または広汎子宮全摘出術(3~5mmのより深い浸潤がある場合)
- 腔内照射
- Ib期
- 腔内照射と外照射の併用
- 広汎子宮全摘出術(リンパ節郭清)
- 広汎子宮全摘出術(リンパ節郭清)と術後放射線治療
II期
次のうち、いずれかの治療が行われます。
- 腔内照射と外照射の併用
- 広汎子宮全摘出術(リンパ節郭清)
- 広汎子宮全摘出術(リンパ節郭清)と術後放射線治療
III期
次のうち、いずれかの治療が行われます。
- 腔内照射と外照射の併用
- 放射線治療と化学療法の併用
IV期
次のうち、いずれかの治療が行われます。
- IVa期
- 腔内照射と外照射の併用
- 骨盤除臓術
- 放射線と化学療法の併用
- IVb期
- 疼痛など症状を軽減させるための放射線治療 (緩和医療も含む)
- 全身的化学療法
再発
再発とは、治療で完全に消えたようにみえてもわずかに残っていたがん細胞が増殖し大きくなって発見された状態です。骨盤内におこる局所再発と、肺や肝臓のような原発病巣から離れた遠隔臓器に転移する遠隔転移再発とに分けられ、それぞれ治療法も異なります。
- (1)局所再発
以下のいずれかの治療が行われます。
- 骨盤内臓全摘術
- 放射線療法と化学療法の併用
- (2)遠隔転移再発
病巣が孤立性であれば外科手術を検討します。多臓器におよぶ再発や多発性の転移には化学療法が行われます。しかし、標準的治療法はなく再発部位に合わせ、一人一人に適切な治療を行います。
- (3)対症療法
治癒させる目的ではなく、症状を軽減させる治療です。
7.生存率
生存率は、通常、がんの進行度や治療内容別に算出しますが、患者さんの年齢や合併症(糖尿病などがん以外の病気)の有無などの影響も受けます。用いるデータによってこうした他の要素の分布(頻度)が異なるため、生存率の値が異なる可能性があります。ここにお示しする生存率は、全国1988年の治療例(139癌登録施設)でのデータを掲載します。生存率の値そのものでなく、ある一定の幅(データによって異なりますが±5%とか10%等)をもたせて、大まかな目安としてお考え下さい。
Ⅰa期:85.9% Ⅰb期:77.2% Ⅱ期:61.8% Ⅲ期:36.1% IV期 10%
2010年3月25日木曜日
2010年3月24日水曜日
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2010年3月21日日曜日
子宮ガンについて真剣に考える
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2010年3月20日土曜日
2010年3月19日金曜日
2010年3月18日木曜日
2010年3月17日水曜日
2010年3月16日火曜日
2010年3月15日月曜日
池田香代子ブログ : アーカイブ基本法を 記録開示と権力と民主主義
日米間の4つの密約を検証してきた有識者委員会が、岡田外務相に結論を報告しました。核はもちこまれていた、沖縄に核はあったということが、明らかになったわけですが、後者は密約とは言えないという、なんだかよくわからない判定です。
検証の過程ではっきりしたことで驚いたのは、重要な書類が不自然に存在しない、故意に破棄されたらしいということです。たとえば、東郷和彦・元オランダ大使が、98~99年の条約局長時に日米安保関係の資料を赤いファイルにまとめた、と検証委の聞き取り調査で証言したのに、そのファイルが見つからなかったりしています。この東郷さんは、2000年、欧亜局長としてロシアと「北方領土」問題で交渉に当たりました。鈴木宗男議員が先頭に立って、2島先行返還への含みをもたせた日ロ平和条約がまとまりかけたのが、鈴木議員と外交官の佐藤優さんの逮捕という事態で頓挫し、それに関連して外務省を免官になった方です。依願免官ではなく免官。切腹ではなく打ち首と、当時かれに退職を迫った担当官が表現した、異様な処遇でした。その東郷さんの証言が、かれを斬り捨てた古巣の外務省の非を明らかにした。皮肉な巡り合わせと言うしかありません。
書類はなぜ廃棄されたのでしょう。それは公務員として許されない行為ではないでしょうか。01年に情報公開法が施行される前に、廃棄の指示があった、指示を出したひとりは藤崎駐米大使だった、ということです。あの、クリントン国務長官に「呼びつけられた」と嘘をついた人です(こちら参照)。その人が「出世」しているところを見ると、資料廃棄は外務省を牛耳っている勢力のしわざということでしょう。
「密約」は、アメリカの公文書館に通う多くの学者さんたちによって、アメリカ側の書類が発見され、すでにおおっぴらになっていました。アメリカは、厳密にドキュメントを管理し、多くは30年を経ると公開されます。日本側がいくら隠しても、廃棄しても、それはまさに頭隠して尻隠さずではないでしょうか。なぜ廃棄などという愚かなことをしたのか、ほんとうにわけがわかりません。
公務員が主権者である私たちの委託を受けて仕事をし、その記録をきちんと残すことは、当然の責務です。「お上の事には間違いはございますまいから」に書いたように、江戸時代の文書管理はきわめて厳格におこなわれていました。敗戦の間際に、軍部などが大量の書類を処分したのは、戦争犯罪を問われる虞があったからでした。よしとするわけではありませんが、動機は理解できます。不誠実な保身という動機は。では、外務省はなぜ外交資料を廃棄したのか。戦犯として極刑に処されるわけでもあるまいに。自身の安寧な余生が脅かされる、そんな低次元の動機でしょうか。あるいは、日米関係は永遠に現行のままであり、政権から見直しなど迫られる事態はありえないと信じていたから、見直しに必要な資料など残しておくことはないと考えたのでしょうか。
だとすると、主権者にたいする背信そのものです。主権者など名ばかりで、民主主義とは無縁のところで統治が行われているということです。政治はきわどい道を通らねばならないこともあるでしょう。だとしても、それを記録し、公明正大に後世の検証にゆだねることが必須です。つまり、公務員がなにをしたかが記録され、記録が保管され、時が至れば万人に公開されること、これが民主主義にとっては不可欠なのです。ほんとうはこのくにには民主主義など機能していないことが、今回明らかになった外務省のふるまいからはっきりしてしまいました。
国際資料研究所を主催する小川千代子さんという方が、つとに「アーカイブ基本法」を提唱しています。文書とはなにか、なにをどう管理・保存するか、その利用法はどうすべきかを定め、記録管理院を設ける、というものです。今回のような文書廃棄には罰則をもうける、ともしています(こちらを参照)。その骨子を読むと、権力と私たちの健全で成熟した関係には、記録がいかに重要かが、私のようなしろうとにもよくわかります。記録は権力を牽制するのです。これを機に、「アーカイブ基本法」がつくられれば、今回明らかになった外務省の不正行為も、歴史的な意味があったと言えるかも知れません。
2010年3月14日日曜日
2010年3月13日土曜日
2010年3月12日金曜日
動員か?「プルサーマル全般に関するご意見・ご質問」 | NPO地球とともに
動員か?「プルサーマル全般に関するご意見・ご質問」
3月 12, 2010 ( No Comments )原子力発電を考える石巻市民の会のブログに驚く内容の記事があった。
ここでは簡単に紹介だけするので、ぜひ↓のブログで詳細をご覧ください。http://shimin-no-kai.blogspot.com/2010/03/blog-post_12.html
突如、「住民理解活動」の一環として去年12月5日から2か月間に渡って「プルサーマル全般に関するご意見・ご質問募集」が行われました。
全体(匿名者等が除外された人数)の79%にものぼる255人が最終日の2月5日に提出しており、このうちの254人が賛成の立場でした(残りの一人は石巻市民の会の方だそうです)。そして上のブログをみると分かりますが、「動員をかけられ」というような正直な意見もあったようです。こんなやり方でいいのでしょうか?
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2010年3月11日木曜日
2010年3月10日水曜日
Twitter、全リンクをフィッシング対策サービス経由でルーティング
先ほどTwitterは、新しいフィッシング対策機能を開始したことを発表した。これは、Twitter経由のリンク先に不正サイトがないかを同社の信頼安全性部門が監視できるようにするものだ。新サービスに伴いTwitter独自の短縮URLであるtwt.tlが使われるようで、ユーザー宛のメールやダイレクトメッセージに入り始めるらしい。
現時点では、どのリンクがTwitter製twt.tlで短縮されるのかは、よくわからない。本誌オフィスで2種類のリンクを試してみた。一つはGigaOmの記事、もう一つがGoogle Buzzのあるページを指すbit.lyのリンクだ。私のTwitterクライアントに送られてきたリンクは変わっていなかったが、メール通知ではいずれもtwt.tlのリンクに変換されていた(もちろんどちらも不正コンテンツを含んでいない)。
Twitterブログより:
本日(米国時間3/9)弊社は、ユーザーを保護しフィッシング等の不正アタックに大打撃を与える新サービスを開始いたします。Twitterに送られてくる全リンクをこの新サービス経由でルーティングすることによって、Twitter全体にわたって不正なリンク検出、介入し伝播を防ぐことが可能になります。メール通知ですでに送られた不正リンクをクリックした場合でも、安全が守られます。
これらのアタックは、ダイレクトメッセージおよびそのメール通知を介して行われるため、初期の取り組みでは対象をそこに絞りました。新機能は見えない部分で働くため、ほとんど目に触れることはありませんが、ダイレクトメッセージおよびメール通知に含まれるURLがtwt.tlを使って短縮されていることに気付くかもしれません。
画像提供:ToastyKen
[原文へ]
(翻訳:Nob Takahashi)