2010年3月26日金曜日

子宮頚がん

子宮頚がん(しきゅうけいがん)

1.子宮頚癌とは

1)子宮について

子宮は女性の生殖臓器であり、骨盤の中央に位置しています。子宮の出口付近(膣に近い部分)を子宮頚部、子宮の上部、袋の部分を子宮体部と呼び、それぞれの部位に生じるがんを子宮頚部癌または子宮頚癌、子宮体部癌または子宮体癌とよび、同じ子宮癌でも区別して考えられます。子宮頚部は子宮体部(胎児が発生する空洞の筋肉組織)の膣側にあります。子宮頚部は子宮から出てくる月経血やその他の組織を通す弁の役割をし、精子はここを通って受精にいたります。また、子宮頚部は子宮へ異物、水や感染源が入るのを防いでいます。

2)子宮頚癌の発生

子宮にできる悪性腫瘍の事を総称して子宮癌といい、子宮頚部(頚管)に発生する癌(がん)のことです。

子宮頚癌には、子宮粘膜を覆った扁平上皮にできる扁平上皮癌(扁平上皮がん)と頚管粘液を分泌する腺組織にできる腺癌(腺がん)の二つの型があります。子宮頚癌は、ゆっくり進行するものもあり、10年も表面細胞に限局していることがあります(異形成というような前癌状態や上皮内癌という初期段階)。しかしなかには急速に進行するものもあり、癌が表面細胞を越えて拡がりはじめると(浸潤癌)、その進行は速く、治療をしなければ、2~3年で死に至る可能性が高いです。

しかし一方で、検診などにより子宮頚癌は前癌病変(前がん病変)である異形成や癌(がん)が上皮内にとどまっている初期段階で発見・治療できれば、治癒率は非常に高いです。又、子宮頚癌は子宮の入り口で発生するため、産婦人科で比較的簡単に検査することができるので妊娠検査や他の婦人科の症状で検査するときに一緒に発見されることが多いです。

3)子宮頚癌の統計

性体験の若年化にともない、罹患率、死亡率ともに若年層で増加傾向にあります。20歳代・30歳代の頚癌が増加し、39歳以下では女性の癌の発生第1位は子宮頚癌です。年齢別にみた子宮頚癌の罹患(りかん)率の傾向は、20歳代後半から40歳前後まで増加した後横ばいになり、70歳代後半以降再び増加します。罹患率の国際比較では、頚癌が途上国で高い傾向があります。

4)子宮頚癌の組織分類

子宮頸癌は組織学的(顕微鏡による観察)に、扁平上皮癌と腺癌に分けられます。扁平上皮癌は、子宮頚癌の約80%を占め、残りの約20%の非扁平上皮癌のなかに腺癌や腺扁平上皮癌(扁平上皮癌と腺癌の混合型)が含まれます。以前は扁平上皮癌が多かったのですが、最近は腺癌が増えてきています。一般的に、腺癌の予後(生存率)は、扁平上皮癌と比べて不良です。その一つの原因として、腺癌は扁平上皮癌と比較してリンパ節転移率が高く、放射線療法や化学療法に対して抵抗性を示すからと考えられています。

5)子宮頚癌の原因と予防

子宮頸がんの発生は子宮体癌とは異なり、性交渉開始年齢が早い人、性交渉の相手が多い人、性交渉の相手が多い男性との性交渉がある人、妊娠・出産の回数が多い人に多く見られます。最近になって、子宮頚癌が発生しているほとんどの人に、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスに感染していることが分かってきました。このことからHPVが子宮頚癌の発生原因になっていると考えられるようになってきました。感染は性行為によって発生し、それ以外での感染は極めて稀になります。性交渉の経験がある方であればどなたでもHPVに感染する恐れがあります。HPVに感染する可能性があるということは、子宮頚癌にかかる危険性はありますので早期発見のために定期検査をすることをお勧めいたします。最近では、一部の施設でHPV検診を施行しており、HPVの自己検診も始まっています。また、喫煙も確立したリスク要因とされています。その他、経口避妊薬の使用との関連性も指摘されています。子宮頸部腺癌についても、扁平上皮癌と同様に、HPV感染や経口避妊薬の使用との関連が指摘されています。

2.症状

子宮頚癌では早期にはほとんど自覚症状がありません。子宮頚癌が進んでくると生理以外の出血(不正出血)や生理の変化(長引く、不順になる)、性交時の出血(接触出血)、黄色いおりものが出るなどの症状が出てくることが多くなります。進行した場合は、大量の不正性器出血や排尿困難、あるいは癌が骨盤まで達すると腰痛なども起こることがあります。

婦人科の症状がなくても、30歳のころから(結婚している場合は25歳くらいからでも)、少なくとも2年に1回子宮がんの検診を受けることをお勧めします。集団検診の知らせがあったらよい機会ですから、面倒でも受診されることをお勧めします。しかし、集団検診において高齢の方の受診率が極めて低いため、高齢者の方に進行した頸部がんが今なお多いのが現状です。

3.診断

1)細胞診

がん細胞は正常の細胞と異なったかたちや色合いをしています。がんの部分からこすりとった細胞や、がんから落ちてきたものをガラス板に塗り、色素で染めて顕微鏡で見ますと、がん細胞を見つけることができます。この診断法を細胞診と呼んでおり、がんを診断する各種の検査法の中でも非常に重要な方法です。

子宮頚癌は子宮の出口付近(膣に近い部分)から発生することが多いので、この部分を綿棒またはヘラのようなものでこすって細胞診を行います。この方法は簡単で痛みもほとんどなく、大勢の人に短い時間で行えますので、集団検診ではこの方法だけを行うことが普通です。そして、子宮頚癌の細胞診の検査結果は5段階(クラスI-クラスV)に分けられます。クラスI, IIは正常を、IIIaは軽度ないし中等度の異形成(前がん状態)を、IIIbは高度異形成を、IVは上皮内癌を、Vは浸潤癌をそれぞれ想定してします。ただし、細胞診だけで癌を決定することはしません。なぜなら、癌でなくても、癌と紛らわしい細胞が出ることがあるからです。そこで、クラスIII以上の場合には、多くの場合に詳しく調べる組織診が行われます。

2)組織診

疑わしい部分から組織(細胞が合わさって塊を形成したもの)をとり、標本をつくって顕微鏡で診断する方法を組織診と呼びます。子宮頚部の組織診の際は、ほとんど痛みもなく、出血も間もなく止まります。この検査は外来にて実施可能です。ただ採取する組織が小さいので、0期のがんか、それより進行したがんか、または0期にもなっていない状態かを鑑別するのが困難なことがあり、何回か組織診を行うこともあります。ときには、「円錐切除術」と呼ばれる方法で組織診を行うこともあります。この場合は、入院する必要があります。

3)コルポ診

コルポスコープという拡大鏡のような機械で、子宮頸部粘膜表面を拡大して、細かい部分を観察する診断法をコルポ診と呼んでいます。組織診の組織を採取する際に欠かせません。

4)内診・直腸診

組織診でがんと診断された場合には、がんの大きさやがんの拡がり具合を調べるために内診・直腸診が行われます。子宮頚癌は子宮の周りに浸潤しやすいため、下記の画像診断と共に内診は重要な検査です。

5)画像検査

組織診でがんと診断された場合には、がんの大きさやがんの拡がり具合、深さ、周辺臓器やリンパ節への転移の有無を調べるために画像検査が行われます。

  • ◆超音波検査

    体に超音波を発信し、組織に当たって反射してきた音波を捉えて画像を得る検査です。外来でできて患者さんの負担も少なく、放射線を浴びる心配がないなどのメリットがあります。

  • ◆CT検査

    CT検査(CTスキャン)はいろいろな角度から体内の詳細な画像を連続的に撮影しコンピュータを使って 非常に鮮明な画像を得ることができます。周囲の臓器やリンパ節転移の有無を調べることができ癌の進行具合を調べるためには重要な検査になります。

  • ◆MRI検査

    MRI検査は磁場を使っていろいろな角度から体内の詳細な画像を連続的に撮影する検査です。 放射線の被曝がなく超音波検査では見分けの付きにくいがんもMRI検査で診断できる場合があります。がんの状況、近傍臓器との関係などをよく把握することができるため手術前の検査としては重要な検査です。

  • ◆PET検査

    現時点では限られた施設にしかありませんが、細胞分裂の盛んな細胞(癌)はエネルギー(ブドウ唐)を正常細胞よりも多く消費するという性質を利用した画像検査PET(ペット)が行われるようになってきました。

    検査ではまず、「フッ素18」という放射性物質を付けたブドウ糖(FDG)を静脈注射します。他の細胞と比較して異常な速さで増殖するがん細胞は多くのエネルギーを必要とし、ブドウ糖をより多く消費する性質があります。ブドウ糖はがんの部分に集まり、それだけ放射線を多く放出するので画像で濃く見えるのです。

    患者さんの苦痛がないことが大きなメリットです。

6)血液検査

子宮頚癌の検査に使用される血液検査と基準値を示します。基準値は施設によって基準値が異なりますので詳しくは検査機関にお問合せ下さい。また、これらの数値は子宮頚癌以外の病気でも高くなることがありますので、目安としてお考え下さい。

  • ◆SCC 基準値 1.5ng/ml以下

    SCC抗原は食道がん、子宮頚癌、肺癌、頭頚部癌、などの扁平上皮癌患者の血中に高頻度に検出されることが報告されており、それらの優れたマーカーとなります。

  • ◆CEA 基準値 5.0ng/ml以下

    CEAは子宮頚癌、胃癌、大腸癌などの消化器癌、胆道癌、膵癌、肺癌などのさまざまな臓器由来の癌に幅広く出現するため、その診断補助および術後・治療後の経過観察の指標として有用性が認められています。

  • ◆CYFRA(シフラ) 基準値 2.0ng/ml以下

    肺の非小細胞癌、特に扁平上皮癌や腺癌で多量に産生されます。また、各種婦人科癌でも高値を示すことが報告されています。

4.病期(ステージ)

ひとたび子宮頚癌と診断されると、がんが身体の他の部位に拡がっているかどうか、さらに詳しく検査が行われます。医師は治療を計画するために、がんの進行程度を知る必要があります。子宮頸部がんには次のような病期分類が用いられます。

0期または上皮内がん(CIS)

0期の子宮頚癌は非常に早期のがんです。がんは子宮頸部の上皮内のみに認められます。

I期

がんが子宮頚部に限局して認められ、他へ拡がっていない状態(ただし子宮体部浸潤の有無は考慮しません)

Ia期

組織学的にのみ診断できる浸潤がんで、肉眼的に明らかな病巣はたとえ表層浸潤であってもIb期とします。

浸潤は、計測による間質浸潤の深さが5mm以内で、縦軸方向の拡がりが7mmを超えないものとします。浸潤の深さは、浸潤がみられる表層上皮の基底膜より計測して5mmを超えないもので、脈管(静脈またはリンパ管)侵襲があっても進行期は変更しません。

  • Ia1期:間質浸潤の深さが3mm以内で、拡がりが7mmを超えないもの
  • Ia2期:間質浸潤の深さが3mmを超えるが5mm以内で、拡がりが7mmを超えないもの。ただし子宮頚部腺癌についてはIa1、Ia2期の細分類は行いません。

Ib期

臨床的に明らかな病巣が子宮頸部に限局するもの、または臨床的に明らかではないがIa期を越えるもの

  • Ib1期:病巣が4cm以内のもの
  • Ib2期:病巣が4cmを超えるもの

II期

がんが子宮頸部を越えて拡がるが、骨盤壁または、膣壁の下1/3には達していないもの

  • IIa期:がんは膣壁に拡がっているが、子宮頸部の周囲の組織、すなわち子宮傍組織には拡がっていないもの
  • IIb期:がんが子宮傍組織に拡がっているが、骨盤壁まで達していないもの

III期

がんが骨盤壁まで達するもので、がんと骨盤壁との間にがんでない部分を持たないもの

または膣壁浸潤が下方部分1/3を越えるもの

  • IIIa期:がんの膣壁への拡がりは下方部分1/3を越えるが、子宮傍組織への拡がりは骨盤壁にまで達していないもの
  • IIIb期:がんの子宮傍組織への拡がりが骨盤壁にまで達しているもの、または腎臓と膀胱をつなぐ尿管ががんによりつぶされ、水腎症や無機能腎を認めるもの

IV期

がんが小骨盤腔を越えて拡がるか、膀胱・直腸の粘膜にも拡がっているもの

  • IVa期:膀胱や直腸の粘膜へがんが拡がっているもの
  • IVb期:小骨盤腔を越えて、肺のような遠隔臓器にがんの転移があるもの

5.治療

子宮頚癌の治療法は子宮を摘出する手術や放射線療法が中心となります。しかし、異形成や上皮内に限局するがん、早期の子宮頚癌に対しては患者さんに妊娠・出産の希望がある場合には子宮を残した治療を行うこともできるようになってきました。

【手術療法】

  • <手術療法-円錐切除術>
    • 扁平上皮癌:

      子宮頚部をメスや電気メスを用いて円錐状に切除する方法で、子宮頸癌の進行具合を調べるための検査としても行われます。切除した組織を顕微鏡で詳しく検査し、それ以上がんが拡がっていなければこの時点で治療は終わります。 しかし、0期またはIa1期であると考えて円錐切除術を行ったが実際にはIa2期以上だった子宮頚癌の場合には広汎子宮全摘出術が必要になります。 術後は妊娠できますが、頚部が切除されるため子宮口が広がりやすく流・早産の危険性が高くなることがわかっています。

    • 腺癌:

      円錐切除標本で癌が取りきれたと思った場合でも、20%に癌が残存するこという報告があります。そのため、扁平上皮癌と比較し、子宮の温存には慎重を要します。そのため、0期の子宮頚部腺癌の基本的治療は単純子宮全摘術です。

  • <手術療法-レーザー蒸散術>

    上皮内癌に適応となる治療法で、癌にレーザーを照射して焼き殺す治療です。 妊娠・出産への影響が少ないのが利点ですが、癌の部位を焼くだけで、その奥に癌が残っているかを顕微鏡検査で確認できないため、浸潤が疑わしい場合には円錐切除術を選択するのが無難といえます。

  • <手術療法-単純子宮全摘出術>

    Ia1期までのごく初期の子宮頸癌の場合には子宮だけを摘出する単純子宮全摘出術が行われます。開腹して行う方法(腹式)と、膣から摘出を行う方法(膣式)がありますが、腹式の方が確実性が高いため通常は腹式となりますが、上皮内がんの場合には膣式で行われることもあります。膣式は傷跡が小さく、術後の開腹も早くなるメリットがあります。

  • <手術療法-拡大子宮全摘出術>

    Ia1期の子宮頚癌が適応になる手術で、子宮とともに周囲の組織や膣の一部などを切除します。骨盤内のリンパ節を切除することもあります。

  • <手術療法-広汎子宮全摘出術>

    Ia2、Ib、II期の子宮頚癌に適応される手術です。子宮とともに膣や卵巣、卵管など周囲の組織も広い範囲で切除します。がんがリンパ節にも転移している危険性が高いので骨盤内のリンパ節の切除も同時に行います。

  • <手術療法-骨盤除臓術>

    がんが子宮頚部ばかりでなく女性性器外に拡がっていると、子宮・膣とともに下部結腸、直腸、膀胱も切除する必要が出てきます。これを骨盤内臓全摘術といいます。術後は人工肛門や尿路を再建する回腸導管、膣を再建する造膣術などの形成手術が必要となります。

【放射線療法】

放射線療法は高エネルギーの放射線を使ってがん細胞を殺す治療方法です。欧米では比較的早期の子宮頚癌に対しても放射線療法を行うことが主流になっていますが、日本ではIII~IV期で手術ができない場合、または再発した場合などに行われることが一般的になっています。

放射線は体外から放射線を照射する外照射と子宮内に放射線源を入れて照射する腔内照射があり、組み合わせて行うこともあります。また、広汎子宮全的手術や骨盤内臓全的手術など大きな手術後にがんが残っている可能性が疑われた場合にも、放射線療法が行われることがあります。

放射線の照射量には決まりがあり、無理をして大量の放射線照射を行うと強い副作用が出る可能性が高いため注意が必要です。

【化学療法(抗がん剤治療)】

子宮頚癌が遠隔転移などのために外科療法で切除しきれない場合や、手術後にがんが再発した場合には化学療法(抗がん剤)による治療を行います。また、腫瘍が大きい場合などに、手術前の化学療法として動脈内への抗癌剤投与などを行なうこともあります。

使用される抗がん剤としては「シスプラチン(商品名:ランダ)」「カルボプラチン(商品名:パラプラチン、カルボメルク)」「ネダプラチン(商品名:アクプラ)」「イホスファミド(商品名:イホマイド)」「ブレオマイシン(商品名:ブレオ)」「マイトマイシンC(商品名:マイトマイシン)」「イリノテカン(商品名:トポテシン)」などがあります。

【放射線化学療法】

この治療法は放射線療法と化学療法を同時に進めていく方法で、子宮頚癌に放射線療法を行う際に同時に白金製剤(「シスプラチン」「ネダプラチン」や「カルボプラチン」)の抗がん剤の投与を併用することで治療成績がよくなることが最近報告されており、両者を併用した放射線化学療法を行なうこともあります。

6.病期(ステージ)別治療

上記の各種治療法は、がんの進行状況、すなわち「病期」により選択され、その他がんの大きさ、年齢、全身状態、将来の出産の希望の有無などを考慮して決定されます。なお、妊娠中の頚癌の治療は、病期と妊娠月数との兼ね合いで遅らせることができるかもしれません。

0期

次のうちいずれかの治療が行われます。

  • レーザー治療
  • 円錐切除
  • 腹式・膣式子宮全摘

閉経後の婦人や、妊娠、出産の希望のない婦人に対しては原則として子宮を摘出します。

I期

がん細胞が正常組織にどのくらい深く浸潤しているかにより、次のうちいずれかの治療が行われます。

  • Ia期
    • 子宮全摘、両側付属器切除(通常、若い婦人では卵巣を残します)
    • 円錐切除(将来、挙児を希望する場合)
    • 準広汎または広汎子宮全摘出術(3~5mmのより深い浸潤がある場合)
    • 腔内照射
  • Ib期
    • 腔内照射と外照射の併用
    • 広汎子宮全摘出術(リンパ節郭清)
    • 広汎子宮全摘出術(リンパ節郭清)と術後放射線治療

II期

次のうち、いずれかの治療が行われます。

  • 腔内照射と外照射の併用
  • 広汎子宮全摘出術(リンパ節郭清)
  • 広汎子宮全摘出術(リンパ節郭清)と術後放射線治療

III期

次のうち、いずれかの治療が行われます。

  • 腔内照射と外照射の併用
  • 放射線治療と化学療法の併用

IV期

次のうち、いずれかの治療が行われます。

  • IVa期
    • 腔内照射と外照射の併用
    • 骨盤除臓術
    • 放射線と化学療法の併用
  • IVb期
    • 疼痛など症状を軽減させるための放射線治療 (緩和医療も含む)
    • 全身的化学療法

再発

再発とは、治療で完全に消えたようにみえてもわずかに残っていたがん細胞が増殖し大きくなって発見された状態です。骨盤内におこる局所再発と、肺や肝臓のような原発病巣から離れた遠隔臓器に転移する遠隔転移再発とに分けられ、それぞれ治療法も異なります。

  1. (1)局所再発

    以下のいずれかの治療が行われます。

    • 骨盤内臓全摘術
    • 放射線療法と化学療法の併用
  2. (2)遠隔転移再発

    病巣が孤立性であれば外科手術を検討します。多臓器におよぶ再発や多発性の転移には化学療法が行われます。しかし、標準的治療法はなく再発部位に合わせ、一人一人に適切な治療を行います。

  3. (3)対症療法

    治癒させる目的ではなく、症状を軽減させる治療です。

7.生存率

生存率は、通常、がんの進行度や治療内容別に算出しますが、患者さんの年齢や合併症(糖尿病などがん以外の病気)の有無などの影響も受けます。用いるデータによってこうした他の要素の分布(頻度)が異なるため、生存率の値が異なる可能性があります。ここにお示しする生存率は、全国1988年の治療例(139癌登録施設)でのデータを掲載します。生存率の値そのものでなく、ある一定の幅(データによって異なりますが±5%とか10%等)をもたせて、大まかな目安としてお考え下さい。

Ⅰa期:85.9%  Ⅰb期:77.2%  Ⅱ期:61.8%  Ⅲ期:36.1%  IV期  10%

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