去年の大晦日、「IAEAと秘密指定条項 福島、福井 共有情報非公開に」とのヘッドラインで、東京新聞が衝撃的なスクープ報道をしました。IPPNWドイツ支部がこの報道に対する反応を表明していますので、それを和訳してご紹介させて戴きます。大変に印象的なのは、IPPNWドイツ支部議長代理ののアレックス・ローゼン博士が、「IAEAのような『ロビーグループ』が広範囲に及び情報の自由(知る権利)を侵害をしていることを阻止する責務は、公衆、メディア、そして政治にある」と言明していることです。私は、公衆に責務があるという言葉に重みを感じました。 原文へのリンクです。: http://ift.tt/1mdTJvC IPPNWドイツ支部プレスリリース (2014年 1月 14日付) 日本とIAEA (国際原子力機関)は「秘密保持」に賭ける フクシマ原子力大災害の健康被害 (和訳: グローガー理恵 ) 医師団体IPPNW(核戦争防止国際医師会議)は、公式な相互協力覚書が、IAEA(国際原子力機関)と福島県、福井県との間で交わされたとの報道を聞くにあたり、ただならぬ懸念を抱いている。去年の大晦日の日、1)東京新聞は、その相互協力覚書からしかるべく条項を引用している。: 「IAEAか県か一方が要求すれば、共有している情報を非公開にできる。」すでに、このIAEAとの覚書は、福島県が2012年の12月、福井県は2013年の10月に、それぞれ締結している。 協力覚書は、福島県においては、県立医科大学による健康影響調査のデータ、そして県内での核廃棄物処理方法を重点にしている。福井県においては、秘密指定条項が、地域にある原子力発電所における原子力分野の人材育成に適用されている。 「我々医師にとって、IAEAが、チェルノブイリで『被害もみ消し』をしてから何十年間経った今、今度は日本において、フクシマ原子力大災害の結果を故意に過小評価し秘匿しようと試みているという事実は、受け入れることができないことだ。これらの『ロビーグループ』の広範囲に及ぶ情報の自由(知る権利)への侵害を阻止する責務は、公衆、メディア、そして政治にある。」と、アレックス・ローゼン(Alex Rosen)医学博士/小児科医(IPPNWドイツ支部議長代理)は述べる。 この協定覚書は、1959年にWHO(World Health Organization-世界保健機関)とIAEAとの間で結ばれた2)附従契約 (独語:Knebelvertrag)を思い起こさせる。その(附従契約)後、WHOは、チェルノブイリやフクシマのような核災害がもたらす医学的な影響結果について、IAEAから独立した独自の調査研究することや独自の報告をすることを禁じられるようになったのである。 「今日に至るまで、日本政府も東電も、放射能被曝や現在のフクシマ事故現場処理作業員の健康状態に関する信頼の置けるトレース可能なデータを公表していない」と、3)最近フクシマ地方を訪れたIPPNWのアンゲリカ・クラウセン( Angelika Claußen)女医は述べる。「ほとんどの現場作業員は下請業者に雇われていて、当局のモニタリング統計(作業員の被曝量/健康状態などに関するデータ)には完全に含まれていない。」 2013年 11月、福島医科大学は甲状腺診断に関する現下数を発表した。: 検査を受けた400,000人の子供の内26人が甲状腺癌に罹患していることが確認され、289,960人の甲状腺に結節もしくは嚢胞が見つかった。 上記の情報のソースはここ(hier) 以上 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 1)東京新聞 2013年 12月 31日朝刊 オンライン記事へのリンク: http://ift.tt/1hR12q1 2)附従契約とは: 1959年に結ばれたIAEAとWHOの協定のことを意味する。-協定文の和訳へのリンク:http://ift.tt/1mdTMaO 3)アンゲリカ・クラウセン( Angelika Claußen)女医のフクシマ訪問に関する記事:http://ift.tt/1j5cBKL 〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://ift.tt/1mdTJvI 〔eye2518:140117〕
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