2010年9月28日火曜日

JCO臨界事故11周年全国集会 事故の教訓を生かし、プルサーマルを止めよう! 集会アピール

1999年9月30日午前10時35分、茨城県東海村のJCOに
おいて臨界事故が発生し、2人の労働者が放射線による多臓器損傷
で亡くなりました。私たちにとって思ってもいない最悪の事故でし
た。私たちはこの事故の真相を糺すために、今年もまた、全国集会
として結集しました。

最近の東海村の原子力施設の事象で、日本原子力研究開発機構・東
海研究開発センター・核燃料サイクル工学研究所(旧動燃)のプル
トニウム燃料第一開発室で火災が発生し、火は1時間ほどで消えま
したが、東海消防署は火災と認定しました。もしも、この火が拡が
りプルトニウムが施設外へ漏れたとしたら、「ゾッと」します。問
題はこの火災が、プルトニウムを取り扱う施設で発生したことにあ
ります。安全管理・危機管理の甘さの現れであり、「もんじゅ」と
の関連で、MOX燃料製造や搬送が行われることから、厳重な監視
が必要です。

老朽・東海第2原発に関しては、炉心シュラウドサポート溶接部
「ひび割れ」、残留熱除去系ポンプの事故による運転停止、保安院
が指摘した保安規定違反などの課題が相次いで指摘されています。
「東海原発」は現在解体中ですが、このほど解体工程を3年延長す
ると発表しました。残留放射線が強いからかもしれません。日本原
電は解体の具体的データを公表すべきです。

老朽・東海第2原発では、2015年までにはプルサーマルを導入
するとして、「いつでも導入できます。準備の間に周辺の住民の合
意は取り付けてしまいます」と表明しています。これに対して、行
政側は質問も反論もしません。県民無視の行政の姿勢を糺さなくて
はなりません。

原発を動かせば使用済み燃料が出ます。これを再処理すれば厄介な
プルトニウムや放射性ごみが出ます。熱を放出します。結果として
自然を破壊します。溜まり続けるプルトニウムをウランと混ぜて軽
水炉で燃やそうと強行しました。このMOX燃料の危険性を指摘す
る学者も数多くいます。青森県六ケ所村の再処理工場は試運転しよ
うにも故障・トラブル続きで試運転もままなりませんが、これは、
再処理技術が未成熟であることを示しています。再処理工場からは、
何種類もの放射性物質が大気中や海中に放出されています。その量
は大変なものであり、再処理工場が扱う放射能の量が途方もなく大
きいことによります。最近、大気中の放射性物質が増え続けている
のは、東海再処理と六ヶ所再処理から放出される放射性物質のため
ではないか、とも言われています。このような地球規模で汚染を拡
大する再処理はただちに止めるべきです。

放射性廃棄物と同様に問題なのが廃棄熱と地震です。東海第2原発
には活断層はないといわれてきましたが、30km圏内に活断層が
見つかっています。それと東海第2原発は地震の巣の真ん中に位置
しているのです。大きな地震が来ないと誰が断言できますか!

これまでの事実経過は、私たちが、原子力施設は決して安全だとは
言えない、と指摘してきた通りです。このような原子力・再処理施
設は、決して安全・安心を保障するものではありません。とどのつ
まりは、捨てるに捨てられない放射性廃棄物が残り、300~
1000年と、これからの世代に膨大な負の遺産(財産)を産み出
して、それをそのまま預けてしまうことになるのでしょうか。

JCO臨界事故11周年全国集会に集った私たちは、原子力の危険
性と政府のエネルギー政策の無計画さを学び、再処理の無計画さと
技術力のないこと、核燃料サイクル計画の破綻、老朽・東海第2原
発でのプルサーマルの危険性、出力5%アップは老いの体にムチ打
つに等しい無茶なことを知りました。原子力・再処理は危ないと考
えざるを得ません。いま、私たちがとるべき行動は、このような野
放図なエネルギー浪費社会を増長させるのではなく、廃棄物の排出
を少なくし、廃熱を抑え、原子力に頼ることのない社会、エネルギ
ー問題について個々人はもとより社会全体として、問題点を公開し、
どのように進むべきかを考えて決め、市民一人一人が実行すること
です。

私たちは、政府や電力会社の政策や宣伝に納得しません。

私たちは、あらためて原子力・再処理、エネルギー政策の見直しを
求めます。

市民一人一人の知恵を集めて、より広範な人たちの結集をもって運
動を進めていくことを訴えます。

2010年9月26日

JCO臨界事故11周年全国集会
事故の教訓を生かし、プルサーマルを止めよう!
参加者一同

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