2010年7月14日水曜日

福島第一・2号「外部電源全喪失事故」の真の原因究明を求める

7月14日付「福島民報」によると、前日の福島県知事定例記者会
見にて、内堀雅雄副知事は、福島第一原発での原子炉自動停止につ
いて、プルサーマル計画の受け入れに影響する事案ではないとの考
えを示した、とのことです。

副知事でさえ、福島第一2号機で6月17日発生した全電源喪失事
故の重大性が認識できていないことに茫然とするとともに、この事
故のことがまだ世間に知られていないことを痛感しました。

そこで、「東京電力と共に脱原発をめざす会」が、7月12日に
大熊町長と大熊町議会議長に要望した内容を、同会のご厚意により、
以下に転載します。 あちこちに転送・転載・ささやき・うわさし
てくださるとうれしいです。

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大熊町長  渡辺 利綱 様

福島第一・2号「外部電源全喪失事故」の真の原因究明を求める
要請書


2010年7月12日 
東京電力と共に脱原発をめざす会 
代表世話人 東井 怜

去る6月17日、福島第一原発2号機で「外部電源全喪失事故」が
あり、東京電力は7月6日に事故原因の調査結果と対策について発
表しました。 外部電源「全」喪失事故とは、非常に稀な事故であ
り、対応を誤れば炉心溶融の大事故につながりかねない深刻な事故
です。

ところが東電も保安院も法令に規定される報告事故ではないとして、
今回の調査報告で了としています。 このまま起動準備に入るとは、
あまりにも無謀です。 しかし報道もおよそ満足ではなく、県民に
事実が知らされていません。 保安院の対応は他の事故と比べ全く
異例であり、規制は機能していません。 情報公開とはほど遠いも
のです。

当会では、6日の発表を受けて、9日に本社で説明を求めました。
原因と対策と称するその内容はたいへん深刻なものであり、またそ
の対策はとても納得のいくものではありませんでした。

○原因究明が全くできていない。すべて推定にすぎない。

○時系列、チャート等具体的な証拠がなにも示されていない。

○真の原因は、外部電源切り替えができなかったこと

○外部電源のシステムエラーであるが、インターロックの内包する
欠陥という普遍性をもつ

○他のプラントはもとより、全国、海外にも水平展開すべき重大事
故である

1)発端は人為ミスとしているが、到底原因とはいえない。

系統安定化装置は1年半以上前までに撤去しており、補助リレーの
電源はOFF、コイルもはずしてあったとのこと。 作業員が触れ
たくらいで補助リレーが作動するとは考えられません。 打振試験
で作動したのを確認したとしていますが、よほど強い打振をしなけ
れば作動しないはず。 再現できたのでしょうか。 万一作動でき
たのであれば、地震動程度でも作動してしまう恐れがあるというこ
とでもあります。

2)制御システムの抱える欠陥が根本原因

所内側遮断機は多重化しているにもかかわらず、補助リレーは同時
に動作する必要性のあるケースであり、所内電源は一瞬にして失わ
れたとのことです。 ところが所内側遮断機OFFにより外部電源
がONになるまでにタイムラグがあり、そのため外部電源が入らな
かったことが判明したとしています。 これはインターロックの内
包する欠陥であり、これこそが真の原因でしょう。 この欠陥に対
する問題意識はとうぜん社内でも認識しているとのことでしたが、
なぜか表には出していません。

3)福島原発は全機停止して、早急に水平展開すべき

福島原発は、第一、第二ともすべて系統安定化装置を撤去しており、
今回とまったく同じ不安を抱えています。 即刻全機停止して対応
すべきではありませんか。 また、同装置以外にもインターロック
における同様の欠陥はないのでしょうか。 徹底的に調査するべき
です。

4)法令に基づく事故報告としての扱いがなされていない

新しい原子力実務六法「実用発電用原子炉の設置、運転等に関する
規則」によれば、今回の「事象」は10日以内に所轄大臣へ報告し
なければならないとされています。 ところがなぜ東電がそれを否
定するのかについて、明確な回答はありませんでした。 保安院と
してもどう考えているのでしょうか。

5)自動停止と隔離時冷却系の注水による後遺症/
 2号機は3回目の冷水

2:52〜3:40まで約48分間、隔離時冷却系により冷水を注
水しています。 流量は毎時95〜100トンとのことです。2号
機は過去に2回もECCS作動事故を経験しており、後遺症が危惧
されます。 しかし落雷による自動停止と同等の扱いで、再起動し
ようとしているのです。

以上を踏まえ、以下強く要請いたします。



一、「外部電源全喪失事故」の真の原因究明を求めること

一、原因と対策が完了するまで2号機の起動を了解しないこと

一、第一・第二原発のすべてのプラントについて、次回定検を待た
 ず直ちに停止して至急対策を行うこと


以上

Posted via email from 3tarou's posterous

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